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小さな同志
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『小さな同志』に投稿された感想・評価

kyoko

kyokoの感想・評価

3.7
スターリン政権による恐怖体制下にあり、内務人民委員部(のちのKGB)による不当な逮捕が横行していた1950年代初頭のエストニア。
当時6歳だったレーロ・トゥンガルの手記を元に描かれている。

大きな家から引っ越してきた家はオンボロ。あんなに大きなおうちに住んでたのにどうして? パパがオリンピックで獲ったメダルをクマにかけてあげてたら、メダルのことは誰にも言っちゃダメだと叱られた。みんなに自慢したいのにどうして? あるときパパとママのお友達のおじさんが現れて、ママを連れていってしまった。お友達なのにどうして?
でもいい子にしてたらママはすぐに帰ってくるって。でもママは一向に帰ってこない。どうして? 私が悪い子だから?
入学式までには帰ってくるって言ってたのに、パパの嘘つき!

6歳の子に、エストニアが置かれている状況が理解できるわけもなく、彼女の無邪気さにクスリとしたりヒヤヒヤしたり。
ワンコはたぶんレーロより10倍賢い。ワンコ、レーロのそばを離れちゃダメ!

見たこと感じたこと知ってることをただ素直に話しただけなのに、大人は気まずげに口を濁す。憧れていた少年団にも入れない。
どうやら自分が見ていた世界は信じていたものと違うらしいと気づいたとき、彼女から少しだけ子どもらしさが消えてしまった。レーロの戸惑いと憤りを表した演技がお見事。
そしてラストのはにかんだ笑顔にホッ。

撮影は「みかんの丘」のレイン・コトヴ。
TOT

TOTの感想・評価

3.7
‪スターリン政権時代ソ連占領下のエストニア。
母の連行、少年団への憧れ、NKVDの恐怖、ロシア人への嫌悪。
いい子にしてれば母は戻ると信じる少女の笑顔は、真実を知るにつれて失われ、父や大人たちは苦しみに耐える。
いまだ影を落とす暗い歴史の抑圧が、見終えても重い。‬
ってか、エストニアで捕らわれてシベリアまで送られてたのか…ひどい。
叔母さんとこに来るロシア人女性が、いかにも共産主義で横行した賄賂せびりだなって思った(叔母さんがロシア人はもっと立派なはずよって言うのは嫌味だよね)。
主人公のレーロがあまりに天真爛漫なので色々はらはらするが、徐々に子供らしくいられなくなることに憤りを覚えるようになる。
あと、お父さんめちゃカッコいい。
ご本人の自伝を基にした映画とのことで、あくまでレーロ中心の描き方で、父や叔母など大人サイドの心情や行動をあまり描き込まないも、子供時代の視点や不安に忠実であろうとしたんだろうなと思えた。
物足りないっちゃぁ物足りないけどね。
そんな中でも、父が走るシーンは、我が子と自分を守るため彼が口にするのも禁じられたスポーツの情熱を見せて印象的。
後に、教えることすら奪われる彼の一瞬の輝きと喜び、それをレーロが子供ながらに目に焼き付けたことも思わせる良いシーンだった。
全然関係ないけど、タリンはフィギュアスケートの試合がよく開催されるので、なんとなく親近感がある都市です。
綺麗な街だね。
はぁぁしかしエストニアの現状を考えても、‪ソ連っていうかロシアっていうか共産主義と独裁政治てめコンニャローって気持ち絶えぬな…‬。

EUフィルムデーズ
(『修道士は沈黙する』の所で少し触れた。少女・元メダリストランナーの教師の父、その親族、限られた視点から、’50年代の小国の民の誇り・愛を捨てぬ、無力も懸命な日常が、じつに柔らかくおっとりも正確なトーンで描かれてゆき、支配民族の当人たちにとっては当然・何気のことば・判断に、他者に対して持ってはならぬ過剰な力を手にしてる者の傲慢さ、対する者にとってはその存在を否定されるそら恐ろしいまでの恐怖・理不尽の有り様・事実を、実体として感じさせ・教えてくれる、あくまで穏やか静か・拡げぬも(視界下の不穏に)真にゾッとさせるものをあり得べく描ききった秀作~少女は無邪気から意識が徐々に生まれ育ってく、これも無知な観客にぴったり寄り添ったメジャーとなる、そして自伝の厳かみを伝えくる~。あのラストの家族の真の感触は、ハリウッド映画や大国の映画では決して?見られないもの。「住民にも信頼篤い君を、学年主任に引き上げたい。しかし、ふたつ、ひっかかる。ひとつは君が共産党員でないこと。もうひとつは、釈放の見込みもない奥さんのこと。離婚したまえ、そうしないと教職そのものを失うことに。」「・・・・・断ります。妻は必ず潔白が明かされる、待ち続けてやります。」)

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