イチロヲ

すけべ妻 夫の留守にのイチロヲのレビュー・感想・評価

すけべ妻 夫の留守に(1995年製作の映画)
3.5
意地悪な姑(伊藤清美)に虐げられている若妻(吉行由美)が、離れ小島の豪邸から家出してきた少女(貴奈子)に遭遇する。佐藤寿保監督ピンク最終作となる、新東宝配給のピンク映画。国映製作。

不妊の悩みを抱える若妻とシラケモードに入っている夫(今泉浩一)、都会に飛び出してきた娘と奔走する父親、秘密クラブを運営する姑とチンピラ風パートナー。異なる立場に置かれている男女が、ナンセンス群像劇で交錯する物語。

良く言えば、自動筆記法を駆使した不条理作品。悪く言えば、作り込みに失敗した散漫な作品。全体的にパッチワーク感が半端なく、説明が不足しているため、あらゆるシーンで頭の中にクエスチョンが出てしまう。

夫が冷めきっている中で妻と姑が自分勝手に身悶えたり、政治家相手の赤ちゃんプレイにチェーンソーを持ち出したり、各カットを単体で取り出すと味わいが出る。しかし、それらを繋げてしまうと、無味無臭と化す。これもまた「映画の不思議」。
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