・上と下、雨
パク代表の家に面接に向かうとき、ギウは階段をのぼって、坂を上がって、話が始まる。
そして、計画が壊れた夜、キム一家は坂を下り階段を下りて、下へ下へ。
階段を滑り落ちていく雨水を見下ろすギウの表情
多く持たないひとたちが家をなくした雨も、持つ人にとっては大気を晴らす恵みの雨
パク代表の奥さんは「地下鉄なんてもう何年も乗ってない」とも。
前任の家政婦さんの夫が「地下室で生まれた気がするし、結婚式もここで挙げた気がする」
それはただ単に彼の状況を語ったわけではなく、多く持たない人たちすべての人生に及ぶ広い意味だったんじゃないかと
お話は難解なわけじゃないが、観終えた後、周りを歩く人たちの身なりや境遇に対して敏感になる、恐ろしい引力のある作品
刃物を突き立てる位置が日本でよくある肋骨の下じゃなくて肋骨の上なのおもしろい
・食事にまつわる描写
家族で食卓を囲むキム一家、パク代表は栄養剤以外のものを口にするシーンがなかった、韓国の作品でご飯を食べないというのはかなり意図があるような。一家で食卓を囲むシーンもなし。
床にケーキを置いて手掴みで食べるダソン、生まれついてのお嬢様というわけではない奥さんはチャパグリ。そしてクライマックスの立食パーティーで惨劇。
