ルーシー

パラサイト 半地下の家族のルーシーのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2020.01.10
<鑑賞のきっかけ>
アカデミー賞作品賞を受賞したこともあり、気になっていた映画でしたが、中々見る機会がなく、地上波で放送されていたのをきっかけに鑑賞しました。

<簡単なストーリー>
半地下に住む4人家族(父、母、長男、長女)は、Wi-Fiの電波を近所から盗んだり、ピザ配達のための箱を作る仕事を家族で請け負って貧しく暮らしていました。息子の友人が留学に行くことから、息子は富裕層での家庭教師のアルバイトを始めます。様々な口実で半地下の家族はその富裕層の家でアルバイトを始め、富裕層の家族も巻き込んで波乱が巻き起こります。

<感想>
真っ先に思うのは、グンセが不気味すぎたことです。笑
ダソンの誕生日に地下から顔を覗かせるシーンは本当に怖かったです。

貧困層が貧しさから脱するのが難しい現代社会を風刺した映画だと思います。
最後のシーンでは、ギテクはドンイクを刺殺し、地下で一生暮らすことになります。
ギテクが刺殺したのは、境界を越えてくる半地下の匂いをドンイクに陰で指摘され続けていたため、グンセの匂いを耐えるドンイクの行動が自分に向けられた軽蔑の意味もあると感じたからだと思います。

パク家での仕事を始めても半地下の家から出ることはできなかったことは、貧しい人が少し努力した程度では、貧困から抜け出せないということを暗示しているのだと思います。
これは社会的な視点ですが、そもそも犯罪に手を染めてお金を稼こうとしたキム家の発想の貧しさも、殺人という最悪の結果を招いた一因かと思います。

貧困層の思想まで構造的にどうにかしようとは思いませんが、格差が拡大してきている現代に問題提起をしていると感じました。
ルーシー

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