このレビューはネタバレを含みます
正直これをどう受け止めたらいいのか分からなかった。
勝手なイメージの上の東南アジアの貧困層のような生活をする一家。
アジア圏の映画は全然観ないためにまずここで えっ韓国の貧困層ってこんな感じなのか…となり、一方富裕層と言ったらとんでもない豪邸に住んでいる。
本作のテーマは｢格差社会｣であり、そこに上手くパラサイト(寄生)していく貧困層である一家が主人公。
最初に友人から富豪の家の家庭教師を紹介される所までは理解できたのだけど、その後口八丁手八丁に一家は次々他人の振りをして富豪の一家に取り入っていく。
もうここで理解が及ばなかった。百歩譲って、息子の絵画の家庭教師までは良いとしても、他人を陥れ、そこに収まる形で父と母も寄生に成功する。
そして、表立って口にしなかった富豪が彼らを見下す言葉を耳にする。
恐らくその所為もあってのラストなのだと思うのだけど。
正直、金持ちに寄生する貧乏な寄生虫である己等の自覚が足りないのでは…？としか思えず、そのチンケなプライドみたいな物は持っているだけ無駄で、その何の役にも立たない矜持で以て宿主を殺害してしまう。
これ等一連の行動によって彼等家族が失う物はとても大きく、宿主に歯向かった罰としては充分だとは思うのだけれども。
恐らく何度生まれ変わっても買えそうもない豪邸を買い取る夢を観て終わるこの映画の言いたい事はつまり…？と思いを巡らす。
わたしは恐らく中流家庭であるけど、それでさえ益をもたらす上層階級には理不尽や屈辱であろうと従っておけ、と理解出来るのに、これは一体どうした事か…と。
やり過ぎてしまった貧乏人(寄生虫)の末路、と言った意味では、｢万引き家族｣と同じような構造だけれども、観賞後感に大きな違いが出る。
映画としては退屈な前半から、あの雨の日のチャイムで一変する構造はとても良かった。間違っても面白くなかったとは言えないし、私的に評価すべきはお金掛かってるなぁ、って部分である。
