半地下に住む貧しい一家が金持ちに寄生していく物語
言わずと知れた英語圏外作品として初めて米アカデミー作品賞受賞した有名作
基本的にはシニカルなコメディでこのジャンルがアカデミーとったのアメリカンビューティー以来？
よくできてるし、面白いのは当然として、この作品がカンヌだけじゃなくてアメリカで受けたという事実は興味深いと思う
この作品のテーマは格差社会
それこそは資本主義が生み出したものでアメリカで起こっている貧富層の分断が拡大している現実に符合しているから、とも思えるけど、そういう作品はある程度作られてきたし、テーマと娯楽性、また脚本の構成などがうまくハマった結果なのかもしれない
感心したのは、社会の構造的な分断を描くために、キャラ造形がおそらくわざと平易になっているということ
寄生する家族の関係性はあまり描かれないし、それは規制される側もそう
希薄な関係性の中で、雇用を得るためだけに行われるハイリスクローリターンな詐欺に手を染めていく
その事実だけでもとても滑稽でシニカルだ
貧しさの中で行動や動機は単純化していき、求める対価と行動との整合性がとれなくなっている異常さは、この作品でとても面白く作用している
