このレビューはネタバレを含みます
【 ほんとうのアウト・“ロー” 】
「韓国映画といえばコレ」となるくらい、あまりにも有名な作品だと思います。僕は他の家族が勝手に（密かに）とある家庭に住み着くという単純なストーリーかと思っていました。とんでもない、想像をはるか上にいく展開にヒヤヒヤ・ドキドキ・ゾクゾクでした。
まず一人（長男）が富豪家庭にうまく入り込み、あれよあれよと芋蔓式に家族が住みついていきます。巧妙にポストを略奪する戦略には、思わず笑ってしまいます。まさにブラックユーモアです。そして、前家政婦の秘密。夜中のモニターに映る表情はハッキリ言ってホラーでした。勝手に夫を地下に住まわせていた事実も、もちろんホラーです。余談ですが、奥さんのチェ・ヨジュンが本当に美人です。
誕生日の晴れのパーティがあれほど凄惨な展開になることは流石に予想できませんでした。社長はコンプレックスやタブーに触れて、グサリとやられてしまいました。地下に住みつく、ほんとうのアウト・“ロー”の逆鱗に触れてしまったのです。
「お金持ちは優しい」という言葉がありましたが、的を射た表現だと思いました。父、ソン・ガンホの“ノープラン作戦”も良かったです。上から下へと下がっていくカメラワークが随所に見受けられましたが、まさに物語と合致しています。韓国映画といえば、コレですね。
