前半のテンポの良いコメディ調な雰囲気から一転し、後半はシリアスになっていく。とにかく展開に勢いがあって観ていて飽きない作品だった。
2つの家族とも、家族を大切に想い守ろうとする姿勢は同じだからこそ、生活の違いが浮き彫りになっており、韓国の格差社会の描き方としてとても良かった。
韓国語のイントネーションは文末があまり下がらないため、日本語話者にとっては余韻が残る印象を受ける。韓国の映像作品のなかで静かなモノローグが入るたびに、趣深い言語だなぁとしみじみしてしまう。
作品を通して、韓国特有の儒教の価値観を直感的に分かりやすく映像化していたように思う。ラストシーンのどこか哀愁を感じるモノローグが印象的であり、生まれた場所に関わらず堅実に毎日を生きなければならないと感じさせられた。