このレビューはネタバレを含みます
ネタバレあります。視聴後推薦。
前作、オクジャよりは好きでした。
この監督の映画は、わかりやすく、絵も強く、話もコロコロ動くし、アメリカで割とウケてるのも納得です。いろんな要素（コメディ、ホラー、社会風刺、サスペンスなど）を詰めに詰め、最後はワーーッ！と終わらす感じがこの監督のキャラクターかな、と思います。回収されない伏線とかも良いですね。とにかく素材が詰まってます。
個人的にパラサイトのグッときたシーンは、お父さんがお母さんの胸ぐらを掴むシーンでしたね。ああいうノリは、韓国文化出てて良いな、って思いました。あと、最後にブルジョワジーを刺すお父さんのトリガーがにおい、というのもよかったです。「貧乏人の匂い」ってステレオタイプ、韓国にもあるんですね。あのランドン？って食べ物は食べてみたいので、こんど韓国スーパーで探してみようと思います。
この映画は、家族というより格差の映画でした。場所の高低差や美醜などで表現されたそれは露骨すぎるくらいに分かりやすいものでした。半地下の家からお金待ちの家に行くまでの道、下から上に行く坂道と高低差が印象的でした。韓国も、中流階級の人がむしろマジョリティーだと思うので、この格差が現実だと受け取られないかがすこし、心配ですね。でも、エキストリームな表現は、韓国らしくてよかったと思います。笑
ここ最近、ジョーカーといい、経済格差がメインテーマの映画が沢山出てきているのは、現代社会を表しているように見えます。言い方が悪いかもしれませんが、フェミニズムの次は、これかな、という感じです。ジョーカーとの違いは、最後に殺し合う人たちが貧乏人同士だったところですね。ジョーカーではブルジョワジーは殺されますが、パラサイトでは（怪我はしたけど）殺し合い死ぬのは貧乏人だけでした。そういう意味で、パラサイトはいやに現実的な映画でもあると思います。
私個人の好みの観点で言うと、映像はすこし強すぎたし音楽は少しうるさいと思いました。あとドラマ（1話、兄就職、2話、妹就職…みたいな。）を繋げたような構成も、基本的に要素が多すぎてちょっと観た後に疲れました。でも、みてよかったと思いました。
