雪洞

パラサイト 半地下の家族の雪洞のレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.0
信じられないくらいレビューが長くなってしまいました 笑
書きたいことだらけで書く手が止まらない。

語りたくなる映画っていうのがよくわかりました。でも確かに前情報はない方が楽しくみれると思います。


(あらすじ的な何か)
雑然とした街で暮らす4人の家族。父母共に職はなく、ピザのパッケージを組み立てる内職で生計をたてている。
そんなある日、大学生の友人から家庭教師のアルバイトを紹介され、英語教師として、経歴を詐称して裕福な家庭へと潜り込む。
無事に雇われた主人公は、ふとした話の流れから、家族をこの別世界へと連れてくるアイデアを思いつくのだった。



(感想)
あまり気に留めていなかっただけなのかもしれないけれど、韓国映画を見るのはほぼ初。見慣れない感じはいい意味で斬新だった。

私自身、薄い韓国情勢しか知らないが、序盤から、韓国の現実がひしひしと伝わってくる。
かつて金メダルを取った母の栄光、大学を何度も受験した息子、美大に受かるくらいの詐称技術 笑
もちろん親の贔屓目もあるかもしれないけれど、学歴がよくても、就職につながらない現実。

職がないから、お金がなく、お金がないから友人は大学へ行けても自分はいけない。
お金が物をいう現実を見た。

そんな暗い雰囲気を漂わせつつも、家庭教師になってからはテンポ良く話が進んでいき、ハラハラさせられつつも笑いが溢れるコメディ調でストーリーは進んでいく。
BGMも、うまい具合にハラハラドキドキ感を煽る 笑

あまりにもテンポよく進むため、コメディ映画だといいたくなるが、中盤から一転してドス黒い、人間と人間の生き様のぶつかり合いが始まる。

映画が終わったあとに「なんか違った」「眠い」と呟きながら帰る人をちらほら見かけた。あらすじからコメディ映画だとかは全く思っていなかったけれど、そういった映画とか、なんか盛り上がってる映画だと思って見始めてしまうと、暗く重く暇な映画なのかなあ?

そんなことは全く感じなかったけれど! 笑






(ネタバレ?)






主人公は家庭教師を始めてから、あの手この手で家族を少しずつこの別世界へと引き込んでいくが、お金儲けという目的だけでなく、父や母に職を、という孝行の思いも強かったのではないかな、と思う。

妹は父にも母にもタメ口であったが、主人公は敬語で話していたのも、親を想う、尊敬する気持ちが現れていたように感じる。

やや記憶が薄いのだけれど、父親に対してのみ敬語を使っていた?
という印象があるのと、後半で主人公の回想であったように、容疑者として裁判を受けた時も、妹が死んだことを知った時もただただ笑い声しか出なかったが、父親の蒸発を知った時だけは笑えなかったというシーンからも父への尊敬が強いなと思った。

給料もよく、美味しい食事も貰える。

そんな別世界での幸せも一転して、どんどんスプラッタな状況へ。
裕福な別世界の人たちのゆったりとした時間の流れを見て、毎日何かに追われているようなギリギリの世界で生きている自分たちの世界との違いを感じた息子。
「(生きる世界が)違う匂いがする」とでも言われているかのような仕草に、言葉にできない暗い感情が生まれた父親。

家族全員の話のようだけど、どこか父と息子の話のように感じた。

副題の半地下の話もしたいところだけど、あまりにも話が止まらなくなりそうなのでやめておきます…笑

ポスター家族写真にしか見えないんですが、映画見たあとによくみるとうわっ!ってなりますね。
ポスターをまじまじと見てなくて良かったです。
雪洞

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