セレブの家に取り入り、金を巻き上げ、
騙せたと嘲笑っても向けられ続ける侮蔑の目。
見下され続け溜まりに溜まった鬱憤が爆発してカタルシスと虚無感があったとともに、現実でもいつ自分が人に対して無意識に差別の目を向けて逆恨みされるのではないかと恐怖した。
自分では気づきにくく、生活環境から生じるコンプレックスを指摘されるのは人格全てを否定されている気分だと痛々しいほど分かった。
全体としても、狡猾な騙しの手口の爽快さ、笑いとエロとスリルに溢れた脱出劇、悲惨な格差社会の現実など盛りだくさんなうえに、“現実的”な設定でよく練られた作品だった。
ライトの点滅の伏線最後の最後に回収されるのは見事で微かな希望の光があった。
あとはリスペクト!の大切さを学べ、アナログ時計を見るたび、にやけられるようになった。