期待し過ぎ？良作だが、今までのポンジュノ傑作に比べると少々物足りず。なによりポンジュノ的瞬間としか言いようがない体験ができなかった。
ポンジュノの特徴として、コメディーみたいなあちゃらけから見てるこっちまで身も凍えるような魔界に落ちていくような変化があるが、本作では正直終始コメディーな感じだったかな。当人たちは勿論マジだけど、それが可笑しいコメディー止まりで、カオスとしか言いようがない狂気じみたテンションにもっていかれなかった。
あと、天災という事態も物語を一気に動かす予想外の要素として上手く働いてるとはいえないかなぁ～。あの大雨で下層に住んでる貧乏な連中が上層に押し寄せてくるとかして均衡が崩されたら面白かったのだが。
あと、いちいち上手いなぁ～って感心させられるショットがあるけど、物語や感情の頂点にそういうショットをもってこれてるとは言い難い。なによりラストでガーンとやられないとポンジュノの醍醐味が味わえたとはいえないかなぁ～。
不満ばっかなようですが、大好きなポンジュノに対してだからハードルが上がってしまったので、普通のレベルとは比べるのもおこがましいくらい面白い。ただ、本作がポンジュノの代表作！とは言いたくない。これを機に「殺人の追憶」、「母なる証明」の二作を見てくれる人が増えるならいいけど。
最後に、息子役の俳優さんなんかムカつくなぁ～と思ってたら、「魔女」のムカつく敵役のあんちゃんだった。
