このレビューはネタバレを含みます
正直、もっとすごいハプニングが起こるかなと思っていたので、セオリー通りすぎる展開にドキドキしないまま観終わってしまいました。
「トラウマ克服ならず…!」
て思ったのがハイライトかもしれません。
溢れるトイレを諦め、タバコに火をつける妹のシーンはかっこよかった。
多くを語らなくても、「臭い」で全て伝えてしまうのはすごいなと思います。
韓国だと臭いにまた別のメタファーがあったりするのだろうか。
半地下の家族が、地下の家族を仲間と思うのではなく、見下してしまうことが悲しい。もしかしたら将来の自分を投影したからかもしれないけれど。
家族を愛することに関しては、お家の主が一度も肯定しないのに対して地下の家族は躊躇わず言葉にしてしまう。その観点で見ても半地下の家族は中間で、どちらが良いかと問われていたかもしれません。
個人的には「ボロは着てても心は錦」でありたいと思うので、他人の家で酒盛りしたり、家を預かっているのに更に他人をあげたりと、まぁ自業自得だよねと思う部分もありました。社長の言う「度」というか。同時に、それが伝わらないのが「差」なのかなとも思います。
坂の上の人たちのところへ行こうとしているのに、臭いのあれこれや地下の住人の存在を知ることで、「無理なんだよ」と言われている気にさせるというか、少し違うけど蜘蛛の糸のような、そういうのもあるのかもしれません。救いがない分、つらい。
それにしても、ガラスに反射したりして絶対見えると思うし、ティピーからも見えると思うんだけど、気付かれなくて良かったのか悪かったのか。
携帯水没しなかったのかとか、
お母さん、夜のうちに全部片付けたのかしら、とか謎は残りますが、
韓国もミランダ警告してから逮捕なんだなと思いつつ、
やるせなさを残した映画でした。