パラサイト 半地下の家族のにんにんにんのネタバレレビュー・内容・結末

生まれ育った環境が人に与える影響を懇々と描いていて素晴らしかった。万引き家族っぽい、という評価をよく聞いたけど個人的には全然違うテーマを描いているように感じました。

主人公たちの家庭の方が、子供には高い教養があり、娘は美しく、母は家事がうまく、家族仲もよい。それでも半地下に追いやられているのは、「貧困家庭で育った」という拭い切れない前提があるから(この辺が匂いで表現されてたんだと思う)。

人間は本質ではなく出自でかんたんに判断されるし、なにより「お金持ち"だから"いい人なのだ」という台詞の通り、カネがあれば醜い部分すら覆い隠すことができる。
富裕層の家庭は自らの身を守るために、事情も鑑みず世話になった人との縁をバンバン切っていくが、彼らもそんなに悪人っぽい描写がないのもテーマに忠実だな、と思いました。

最後のシーンは父を救うためだけじゃなく、そういう連鎖を断ち切る決意をしたものとして見ました。泣ける。
私自身も出自の悪さを隠して育ちの良さを偽装して生きることを心がけているので、グッとくる映画でした。