【貧困は近年の映画のトレンド?】
もっとも、今回の映画と万引き家族は描き方が大きく異なるため、扱った題材が同じである以外に比較することは難しい。
この作品は、テンポやリズムが非常に良く、最後の展開までの描き方に見辛さがない。ドキドキする展開と一つ一つの場面の特徴から、後に振り返っても容易に流れを思い出せるほど。
いくらなんでもこれは韓国社会を特徴的に描きすぎている。だけれど、貧富の差によって貧しい人々の間に生まれているフラストレーションは、韓国に限らず現実からそう遠くないように感じた。
これを社会批判の一つとしてだけ描いたのではなく、一種のコメディー作品として描いた点、そしてその一つ一つのこだわりがアカデミー賞受賞の事実を納得させる。
この素晴らしい、歴史的な作品を韓国語そのもののテンポだけで観ることができ、個人的にはそこも非常に嬉しい。
韓国語を学んできて良かったと、アジアで初めてアカデミー賞を受賞した作品を観て1番感じることができた。
とても素晴らしい作品。