ぱんだまん

パラサイト 半地下の家族のぱんだまんのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

某監督が前々から絶賛してて気になってたから鑑賞

前情報ほぼなしで挑んでみたら普通に面白かった。タイトルから何となく予想はしてみてたけど、それも裏切る感じがなんとも言えない。

前半はかなりコミカルで、半地下の一家の陽気な生活が映し出され、ひょんなことから舞い込む仕事の話を上手く利用して上流階級の家庭へ“パラサイト”していく。しかし後半になると雰囲気が一気に反転、上流階級の家の地下に“パラサイト”する別の家庭と遭遇するや否や、彼らと主人公一家との争い勃発。ここら辺がかなりドス黒い感じで、人間の嫌な部分出してるなーと。最後はサイコ感ぶっちぎりのモールス信号おじさんの狂気でもうドキドキハラハラみたいな。階段とか匂いとか色んなエッセンスが散りばめられてて、そういう意味でも中々面白いなと。

映画を観て思ったことといえば、日本人が好きそうなダークさだなってことと、そこまでのメッセージ性は感じられなかったってこと。前者に関して言えば、こういう雰囲気は日本人の大好物な気がするから日本では大ヒットなんだろうなと。後者に関して言えば、この映画から貧相なイメージは伝わってきても、経済格差を訴えようみたいな強いメッセージ性はそこまで感じられなかった。もちろん主人公一家と上流階級一家の対比で、先進国の格差社会を描いてるのは分かるんだけど、変にコミカルだったりやけにスリラーテイストな感じとかを観て(それが社会批判的なシニカルさを演出してるのかも)、社会派というよりはよっぽどエンターテインメント性に富んだ映画かなと思った。あくまでそういった側面があるだけという感じ。だからこそこれがアカデミー賞かあという気持ちもある。

あとこれだけは本当に気に食わないんだけど、せっかく楽しく鑑賞できる作品なのに、“独島は我が領土”の替え歌を挿し込んできたり、犬のエサは日本のカニカマってセリフやイスンシンの話題など、なんだかピリピリさせるような要素を盛り込んでくるのは、やはり韓国だからなのか、とても不愉快。アジアの映画も世界で通用するのかと思ったら、こんな姑息で意地汚い表現を使うなんてみっともないし情けない。その上で日本の製品が置いてあるシーンが出てきて、日本認めてんだか嫌ってんだかよく分からん国だなと心底呆れた。監督のポリティカルな面ゆえなのか、それとも既にミームと化してるのかは知らんけど、どちらにせよそこは本当に残念だし、くそくらえだなと。
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