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パラサイト 半地下の家族のモのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

1回目
見てる時も見た後も衝撃と面白さが爆発的!予告も何も見ずに行ったからこそ、前半のコメディーさと後半の恐ろしさのギャップに驚かされてショックが大きかった。
映画見終わった後での考察を調べて伏線を回収した。調べれば調べるほど沢山あって面白い。裕福な家庭では、下から上のアングル、半地下の家庭では上から下のアングルでカメラを動かしていることや、二つの家族が同時に映るシーンでも線が引かれているという、撮り方構成にまでこだわっていて、さすがアカデミー賞と思ってしまった。

2回目
Netflixで鑑賞。初めて観た時とは違う見方ができた。
お金はシワを伸ばすアイロン、って言葉がささったし、恵まれて生きている裕福な家庭だからこそ、生きる上での困難やリスクを感じず、人を信じやすいんだなと思った。無計画でなんとかなってるのもそういうことかな。一方で、半地下に住むキム家は常に計画を立てて考えているしピリピリもしてる、けどそれは生きるために必要だから。生きていく環境がその人の人格を決めるということは大きくあるんだな。
1回目観た時はなんでお父さんが刺したのか分からなかったけど、今回は何だかわかった気がする。パーティーで、もっと地下の家族と話し合いをしたほうが良いとなってて、え、何で話し合いするの?と思ったけど、どこかで共感するところがあって同じように感じてたからだろうな、と思った。気付きを天才的に与えてくれる作品だと思う

3回目(金曜ロードショー)
今回は愛と境界線の二つが特に気になるキーワードだった。
パク家の夫に、妻を愛してるか2回聞いて夫が怪訝な顔をするシーン。パク家はお金はあるが、妻が夫に怯えているシーンからも人間の関係性は希薄ということが表れている。対してキム家はお金はないものの、常に家族は一緒に行動していたり、洪水の時に奥さんが大事にしていたメダルを拾い上げるところ、多少きつい言葉を使っても繋がりと信頼度がが濃いように見受けられる。ただ、階級の違いには、人間的な愛や家族の絆があっても幸福になりきれないところが出ており、裕福が幸せとは限らないが、貧困は不幸、という構図が見受けられる。
境界線というのもテーマで、自分と異なる階級の人とは一線を引いておきたい、そしてその人たちの情報は敢えて知ろうとしない、関係性を持たないというような心理が見受けられる。何より驚きだったのは、パーティーの混乱で、息子の気絶と家庭教師の先生の出血、を観た時に息子を圧倒的に優先し、流血している家庭教師には見向きもしないこと。自分のことしか考えてないのがよく表れてた。これは社会問題においても自分と関係ない人たちのことはどこか他人事になってしまう、知ろうとしないことを暗喩してるのではないかと思った。
今回の考察でより興味深かったことは、キム家に貼ってある「知足安分」という語彙。高望みせず自分の境遇に満足することっていう意味。確かにキム家は、詐欺なんてしなければ誰も死ななかったかもしれない、けれどもあのままずっと半地下の生活に満足すべき、というのも違う気がする。そう思ってしまうのは、半地下に少しでも哀れみを抱いているからなのだろうか。
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