絶対に失敗しない「計画」ってなんだと思う?
それは、「無計画」である事だ。
いやぁ〜〜〜〜〜めっちゃこの言葉刺さるわ….
そりゃあ賞取るわって感じのクオリティ。
マジで文句無し。
上層階級の家庭に寄生する、下層階級の家族。
表層的にはそれ以上でもそれ以下でもない話だが、詰めれば詰めるほど深い作品。
こういう作風は本当に好き。
伏線や暗喩が細かすぎて、見るたびに新しい発見とかあると思う。
全てにおいて対照的な上流階級と下流階級。
色々と気付いた事は、
・家族構成と行動
パク社長の家族も、ギテク一家も、夫婦と姉弟の家族構成。
キャンプで不在時にギテク一家がハメを外してた位置と、
社長一家がキャンプから帰ってきた時の定位置が同じ。
(夫婦はソファー、姉は2階、弟は庭の芝生)
上層も下層も、結局のところ同じ人間という暗示なのかな。
・位置
よく見ると画面における、両家族それぞれの立ち位置が上下に分かれている。
下層家族が隠れる時はソファー。真上に上流夫婦。
そして上流長女のベッドの下には下層側の弟が隠れる。
大体このシーンに集約されているが、冒頭から通して見ても下層家族は上流階級より上に存在した描写は無い(画面的な意味で)。
・目線
またまた隠れるシーンの話だけど、上流家族が急遽帰宅した際、下層家族は慌ててゴミをソファーや机の下に隠す。
ゴミはハミ出ており、一見すれば秒でバレるはずなのだが、なせかバレない。
初見時ではそれがすごく不自然に見えたんだけど、よく考えればこれも象徴のひとつだった。
上流階級の人達は、下のことなんて「一切見ていない」のだ。そして、興味もない。
今思えば、上流家族は目線を下に向けた事なんてほとんどなかった気がする。
・インディアン
アメリカ大陸は元々インディアンの土地だった。後にコロンブスがその大陸を発見し、彼らを迫害した後に大陸丸ごと乗っ取ってしまった。
この作品はまさにそんな歴史の縮図みたいな作品だと思った。
エンタメ作品においてインディアンが登場する場合は、つくづく犠牲者などネガティブなイメージで描かれる事が多い。
ラストシーンで下層家族のギテクまでもインディアンのコスプレをするのは、
彼らもまた、最下層の人間からしたら上流階級なのであって、奪われる側にいるという事なのかも。
・石
この作品にとって象徴的な存在である「水石」。これだけは自力でもあんまり意味がわからなかった。
仕方なく、この石の意味を解説サイトを見たら、すごく深かった。
人によっては格式高く意味のある水石なのに対して、もう一方ではただの鈍器にしかならない。
下層も上流も、双方のことを理解しあえるのは不可能という暗喩だった。
・ピザの箱
冒頭の内職作業でも家族の行く末を暗示している大事な要素。
箱の4分の1が廃棄処分となるが、それは全て父親の担当分だった。
廃棄=逮捕というイメージらしい。
・境界線
ギテクと社長の面接前のシーンなど、画面に下層と上流を明確に分ける障害物や線がある。
匂いの件もそうだけど、この二つの要素には明確な線引きがあって、決して交わる事がないという事なのかも。
良い匂いも、嫌な匂いも、慣れてしまえば気にしなくなるが、あの二つの家族にはそれが無かった。
こんな感じかな…..
ツッコミどころは一個だけ。
家庭教師の授業初日で女の子の手を握るとか普通に死ぬほど気持ち悪くねぇか????
そんだけだ
驚いたのは序盤でもちゃんとモールス信号の描写があり、意味を成していた事。
ちょっと思ったのは、この映画に限らず、モールス信号出過ぎじゃない??ストレンジャーシングスとか、戦争系映画とか。
流石にもういいよ感がある。ってかこの際覚えた方がいいのかもしれない….
あと、ちょくちょく日本要素あったよね。日本軍を囲むように椅子を並べろ!とか。
どんだけ恨んでんだよこいつら
日本がアホみたいなラブコメや漫画実写化を放映してる中、韓国の映画業界は世界が認めるレベルにまで到達していたという。
この差はもう追いつく事ができない。死ぬほど悔しいけど。
最後に言いたいこと。
桃が食べたいです。