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パラサイト 半地下の家族のriesz77のネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

留学を経験したときに、ほんの少しですが嫌韓が入ってしまい、『パラサイト』も韓国映画ということで斜に構えてというか、疑って観ましたが、そんなの関係なくおもしろかった。アカデミー作品賞は『1917』を抑えての作品賞。同じくらいおもしろかった。アカデミー賞の観点で見るなら、2年前の『スリービルボード』『シェイプオブウォーター』の一騎打ちには劣る。

まず思ったのは、汚い。不潔。そして半地下は、湿気が多く日当たりが悪い。半分埋もれた窓から見えるのはガヤ街、ネオン、酔っ払い。外から品のない声が聞こえる。こんなところ住みたくないな、って思った。東南アジアっぽさを感じた。

対照的に、高いところにある豪邸。高いところにあるからこそ作れる秘密の地下室。空の見える庭。半地下との対比が良かった。土曜の朝に建物探訪したくなるような凄まじい家で、建築家ナムグンがどんな人なのか気になった。

次の展開が幾通りも予想できるし起こりうるので、ハラハラした。手に汗握るというか。そういう意味ではどっと疲れるけど、誰にも感情移入できなかったから余韻もあまり残らなかった。ただ胸くそ悪い。意地汚い人ばかりで、韓国人ってやっぱりこんな人ばかりなのかなぁって思ってしまう反面、そんな人は日本や世界中にもいるし、ただそういう垣根を超えてポンジュノ監督はすごい!と思った。本当に練られた脚本・設定だった。

便座の上でタバコを吹かすシーンがカッコいい!広い庭で仰向けで本を読むシーンも良かった。
ラストのパーティシーンは芝生の上で、千鳥大悟(みたいな人)が暴れる。その場面の、緑と赤の対比も見事。本当に怖いシーンなのに能天気さというか、皮肉というか、あーなるほどな、すごいなポンジュノって思った(語彙力低め)。最後の締め方も素晴らしい!ただ一回観て満足です。
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