喜連川風連

イソップの思うツボの喜連川風連のレビュー・感想・評価

イソップの思うツボ(2019年製作の映画)
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着ぐるみが大暴れするのを期待して見たが、そのシーンは全くなかった。

高校生の恋愛モノを大学生でやる違和感。

大学では珍しいクラス制度、2ヶ月だけの非常勤講師、地味な女の子の片思い、お風呂で泡をぶくぶくさせる演出。

どこかで見たことあるようなゼロ年代の邦画恋愛映画の焼き直し。

それが下地にあるのでどう脚本を展開しても、うわずべりしていた。

だが、昼の嘘っぽいワイドショーの出演者をズタズタにするような後半の演出は気持ちよかった。

カルト的なオーナーたちも、アイズワイドシャットを思い出す。ただ、アイズワイドシャットと比べて、現実味に乏しい。

そこには人間ではなく、使い古された「キャラ」しか存在しない。銃もなかなか発砲しない。

人間が描かれないまま、構成だけを先行させてしまって、もったいなかった。

自主制作映画で、娯楽モノのヒットが少ないなか、これからも頑張ってほしい。
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