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るろうに剣心 最終章 The Finalのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.7
日本転覆を企てた志々雄真実(藤原竜也)との死闘を終えた緋村剣心(佐藤健)や神谷薫(武井咲)や仲間の喧嘩屋の相楽左之助(青木嵩高)や医者の高荷恵(蒼井優)たちは、神谷道場で平穏な日々を送っていた。
そんなある日、何者かが東京中心部を相次いで攻撃。剣心たちが現場に向かうと、「人誅」と書かれた紙がばら撒かれていた。そこへ斉藤一(江口洋介)がやってきて、上海マフィアのボスで志々雄に甲鉄艦を売った嫌疑で斉藤一が逮捕しようとした武器商人の雪代縁(新田真剣佑)から「緋村抜刀斎の顔に十字傷はまだあるか?」と聞かれたと告げる。
剣心たち行きつけのすき焼き屋「赤べこ」や薫が師範を務める警視庁の道場や警視庁の署長宅など、剣心たちに関わる者が次々に襲撃される。
罪の意識に苛まれる剣心の前に、雪代縁が現れ、「お前が作った新時代の全てを滅ぼす」「お前には死に勝る苦しみを与える」と復讐を宣言する。仲間たちを集めた剣心は、一連の襲撃の首謀者が雪代縁であること、縁と剣心の因縁について語る。
思いもよらない剣心の告白に衝撃を受けながらも、薫たちは剣心を守ることをそれぞれ決意する。縁の東京襲撃の情報を掴んだ四乃森蒼紫(伊勢谷友介)と巻町操(土屋太鳳)が、京都からやって来る。剣心たちと縁の仲間の乙和瓢湖(柳俊太郎)や鯨波兵庫(阿部進之介)との熾烈な死闘が、始まる。鯨波兵庫と乙和瓢湖を倒したものの、縁一派の攻撃により東京は大きな痛手を負った。
ついに、縁の復讐の刃は、剣心がよりどころである神谷道場にも向けられ、左之助の奮戦虚しく薫は連れ去られてしまう。
剣心は、自らが生み出した恨みの連なりを断ち切るため、単身で縁に挑む。
和月伸宏の人気コミックを佐藤健主演&大友啓史監督で実写映画化した大ヒットシリーズ「るろうに剣心」の完結編2部作の第1弾。
原作では最後のエピソードとなる「人誅編」をベースに、剣心の十字傷の謎を知る上海マフィアの頭目・縁との戦いを描く。

原作者の和月伸宏が、マーベルコミック好きで自らの作品に影響受けているだけに、今回はマーベル・シネマティック・ユニバースで言うと「アイアンマン3」「アベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロン」などの「主人公が巻いた種を刈り取り、過去に落とし前をつける」贖罪と再起のエピソード。
冒頭の機関車の列車内と外での雪代縁と警官隊とのバトル、剣心vs鯨波兵庫と乙和瓢湖のバトルのような刀と武器戦。
クライマックスでの剣心vs縁の部下の集団バトルは、剣術と体術とパルクールをミックスした今までのシリーズの中で最高レベルまで仕上がっている。
ラスボス縁との対決前にサプライズゲストが剣心に助太刀するが、そのサプライズゲストが剣心のスタイルと似ているので、仮面ライダーで言うとダブルライダー揃い踏みという感じでハイスピードなコンビプレーで敵とバトルするシーンが、剣心とサプライズゲストとのバトルへのオマージュが織り込まれているのが胸熱。
巻町操が八ツ目無名異との剣術と体術をミックスしたバトル、斉藤一と乾天門のバトルでは待ちに待った「真・牙突」が敵に炸裂する見せ場があり、前作までの不満が解消されるレベルアップしたアクションが良い。
アクションの内容と共に、アクションの中で剣心たちの絆が、クライマックスのバトルで少年ジャンプのバトル漫画のお家芸「助太刀に来たぜ」「ここは任せろ、先に行け」が繰り返すベタな演出で描かれてるのが、余計に胸熱。
ラストの剣心vs縁戦は、因縁を抱えた者同士のエモーションのぶつかり合いが、パワフルでハイスピードなバトルで描かれ、決着のやり方も恩讐の彼方にふさわしい着地点で良かった。
佐藤健たちシリーズのレギュラー陣、雪代縁を演じる新田真剣佑の熱演はまさにキャラクターに血肉をしっかり与えるクオリティ高いもので、シリーズ最高作。
来月公開の「るろうに剣心 THE BEGINNG」では、全ての始まりである「追憶編」が描かれているので、ぜひシリーズ完走したい。
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