映画好きの柴犬

るろうに剣心 最終章 The Finalの映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

3.8
スマート過ぎかな🤔

 剣心(佐藤健)に姉の復讐するために現れた義理の弟・雪代縁(新田真剣佑)との因縁の戦いを描く。

 日本のアクション映画を変えた「るろうに剣心」シリーズの完結編にして集大成。最終的な評価は「The Beginning」が公開されてからにしないといけないとは思うが、一定水準以上の完成度はあるという前提の元、集大成としての盛り上がりはあるが、一つの作品としてはこれといった見どころが見つけにくい作品だったという印象。

 売りの高速アクションは健在で、特に冒頭、本来なら「鬼滅の刃」よりもこちらが先に公開されるはずだった列車内でのバトルは、空間の使い方と縁のバトルスタイルという新鮮味があって、ツカミは十分。しかし、それ以降のアクションは、これまでの作品で見たことのあるような立ち回りが多くて、見応えはあるが旧作を超える驚きはなかった。印象としては、派手さやケレン味よりもスピード感重視という感じ。

 ストーリーも、剣心と縁の関係に絞り込まれていて、スッキリとわかりやすい反面、メリハリがなくスーッと流れていった印象。特に、剣心はすでに悟りを開いていて、迷い悩むことがないので、感情を揺さぶられるシーンが少ない。とはいっても、エモーションに訴えるのは「The Beginning」の役割といってしまえばそれまでなのかも。