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るろうに剣心 最終章 The Finalのradioradio526のレビュー・感想・評価

4.2
「飽くなき漫画原作への挑戦」

「るろうに剣心 最終章 FINAL」鑑賞。

シリーズの最終作2部作の前編。
日本転覆を企てた志々雄真実との死闘を終えた剣心たちは神谷道場で穏やかな日々を送っていた。そんなある日、何者かが東京を襲撃する。剣心に恨みをもつ上海の武器商人・雪代縁とその一味の仕業だった。雪代縁の正体とは…。

日本の漫画は世界一だ…それは漫画家達の気質にもよるとは思うが、数多の伏線を張ってそれらを芸術的な展開で回収し、全てを昇華させる強烈な妄想力がなせる技だと思っている。

そんな漫画作品を原作として多くの映画が作られるのは当たり前の話。
ところが多くの映画は原作の世界観を損なってしまうことが多かった。
2時間強の尺というのもひとつの理由だったと思うし、先行イメージを覆すことの難しさもあっただろう。

映画版「るろうに剣心」は衝撃だった。
どう考えても異論が無いキャスティング…緋村剣心の佐藤健は勿論、相良左之助の青木崇高、四乃森蒼紫の伊勢谷友介、斎藤一の江口洋介など…これのどこに文句のつけようがあろうか?
圧倒的なスピード感による漫画のコマ割り超え…「漫画じゃあるまいし」なんてセリフを撲殺するかの殺陣アクション…まさに黙らせる程の圧倒的漫画感。

原作と映像のギャップを口にさせない程の徹底的なる漫画へのリスペクト。
それにただただ感動してしまった。
最終章と銘打った今作も「原作漫画ファンを黙らせる」ほどの仕上がりだ。
このシリーズは最後まで原作漫画の世界を壊さずにそれを超えてきた。

圧倒的アクションの中、シリーズの最初から巻町操を演じている土屋太鳳の姿がある。
原作では幼い少女の設定なので当初唯一キャストに不満があったのを記憶している。
しかし、今や日本を代表する女性アクション女優…実に素晴らしい殺陣だった。
これもシリーズもののひとつの功績だと思う。
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