ちろる

新感染半島 ファイナル・ステージのちろるのレビュー・感想・評価

3.6
「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後を描く続編。
ディストピアと化した韓国はどうなっているのか・・・

前作の成功でバジェットが約倍の17億円が投じられてた本作。
お陰で映像は素晴らしく、完璧かつ壮大なゾンビ後の世界を見せつけ、貧乏くさい場面が一つもない。
前作の特長だった密室シチュエーションから180度変えて、舞台を広げた、オーソドックスなゾンビサバイバル物に作り変えていますが、そのことが結果的に功を奏している。

これは全てバジェットのなせる技で、CGに存分に力を入れた映像は日本映画では絶対真似できないだろう。
それが悔しくもあり残念でもあります。

それから4年後、ジョンソクとチョルミンは香港の貧困街に潜伏していた

4年前の最初のゾンビパニックの際に、命からがら姉と甥と姉の夫チョルミン共に船に乗り込んだが奇しくも姉と甥がゾンビと化し、悲劇の別れを余儀なくされるジョンソク。

それから4年後ジョンソクとチョルミンは香港の貧困街に潜伏していた。ある日、マフィアの会長から呼び出され、彼から「韓国に眠る大金を持ってこい」と依頼を受ける。
そして、ジョンソクは4年ぶりに半島に足を踏み入れることになる。

特にインパクトがあったのはカーアクションで、ゾンビの大群を一気にズザザザザーっと押し倒していく様子は爽快め、そして運転手が少女というのも新しくて良い。
そのほかにも特にハリウッド映画にも引けを取らないアクションシーンが次々と続く。

また、ゾンビの習性がわかりやすく、それを利用し合って戦うというのがゲームみたいで面白く、もちろんお約束な展開ばかりなのだが、そのお約束に見事に答えてくれてカタルシスを感じる脚本が良い。

ドラマとしては前作の方が号泣させられたが、『マッドマックス』の世界観を参考にしただけあるカーアクションシーンはお見事。
人間の悪どさをフューチャーしすぎてゾンビものとして良かったかどうかは微妙だが、バジェットに見合ったお見事な映像力に感服だった。
ちろる

ちろる