うっちー

未成年のうっちーのレビュー・感想・評価

未成年(2018年製作の映画)
3.9
 面白かった。親たちの不始末や複雑さゆえに自分たちの身に降りかかる問題に、最初は感情的に反発しながらも、しだいに受け入れ、年齢にそぐわないほどの寛容さと実行力、連帯ができる未成年の女の子たち。不思議な縁で結ばれた彼女たちのシスターフッドの映画にも思える。

 だらしないお父さんをもつ女子高生と、そのお父さんの不倫相手のシングルマザーの娘。同じ学校に通う女子高生ふたりが、最初は取っ組み合いの喧嘩をしたりするが、次第にお互いを気にかけたり、早産してしまった未熟児の弟を慈しんだりする。特に、弟が急にできてしまったジュナを演じる女優さんがよい。キリッとしていて、先生からは見放されているようだけど、しっかり者でひたむきで。バイトをしながら母も弟も支えていこうとする逞しさに泣けてくる。


 ダメ夫の妻(ヨム・ジョンア。相変わらずとても綺麗。神経質そう、一見冷たそうだが、意外に優しい😢)と不倫相手のシングルマザーの対比も面白い。このシングルマザー、はすっぱで図太そうだけど、基本的に気の良い人のよう。

 それに比べてひたすら情けないのが監督のキム・ユンスク扮するおじさん。見えているのに、そばにいるのに、ひたすら逃げる、逃げる、逃げる笑。あの、エスカレーターのシーンとか笑。

 男っぽさ充満のユンスクさんがこんな映画を、というのに、かなりそそられる。どんな経緯で制作に至ったのか、とても興味深い。おすすめ作。
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