かのん

未成年のかのんのレビュー・感想・評価

未成年(2018年製作の映画)
3.5
高校生のジュリ(キムヘジュン)は、ある日偶然父が浮気していることを知ってしまう。その相手は学校でも問題児とされているユナ(パクセジン)の母ミヒ(キムソジン)だった。浮気を知っていたユナは、ジュリに母が妊娠していることを告げる。ジュリはその事実に動揺し傷つく中で、事件が起こる…。

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キャストとあらすじしか見ていなかったので、最後の「監督 キムユンソク」でビックリした。キムユンソク初監督作品。自分で監督しておきながら、ダメダメで情けない父親役を演じる。

タイトルの「未成年」とは、通常20歳未満の子ども達のことを指すが、今回に関しては一見一人前に見える大人達が、本当は未成熟な人間達なんだ、ということを見せたい作品だったのかなと思う。

見どころはジュリとユナが校舎の廊下でみせた体当たりの格闘シーン。お互い親の浮気と妊娠を知ってしまい、動揺や憤りや怒りがグチャグチャになってガラスを割る程の取っ組み合いをする。

娘が浮気や妊娠を知っているとは気づかず、病院で鉢合わせそうになって見つからないようにエスカレーターを逆向きに進もうとする父、追いかけられて逃げる父、あまりにも哀しい。妻のヨンジュ(ヨムジョンア)の問い詰めにも謝るだけ。

全部全部、自分勝手な自分達のせいなのに、どうして子ども達と不倫された側の妻が傷ついて苦しまないといけないのか。

浮気して妊娠させたにも関わらず逃げ回るだけのデウォン(キムユンソク)。
早産で産まれた子どもが病気を抱えて浮気の罰だと思ってしまったヨンジュ。
浮気に1mmも悪気なく産まれてきた子どもへの愛情もなく、デウォンがこっちにくると思っているミヒ。
借金まみれでユナの年齢すら覚えていない父。

大人はみんな大人じゃない。未成熟なまま大きくなっただけの子ども。産まれてきた子どもに対して最後まで向き合い続けたのは未成年なはずのジュリとユナだけ。自分は大人じゃない大人にはならないように生きたい。
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