マツモトタクシー

カスリコのマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

カスリコ(2018年製作の映画)
3.9
全く知らない作品だったけどU-NEXTに届いていたのでタイトルとジャケットが気になり鑑賞📺



国吉卓爾 原作
高瀬正嗣 監督作品


「手本引き」という賭博にのめり込んでしまい土佐の高知一とも言われた料理店を手放して身を滅ぼしてしまった岡田吾一(石橋保)
妻子を妻の実家に帰し途方に暮れていた。。

吾一の前にヤクザの親分荒木五郎(宅麻伸)が現れる
顔見知りだった五郎は吾一にやり直す気が有るならば賭場で客の使い走りをして、わずかばかりの祝儀を恵んでもらう「カスリコ」という仕事を世話してやるという

物乞いのような仕事であり、かつては自身が掛ける側だった賭場
プライドも有るがしかしもう行き場の無い吾一には選択肢は無かった
住み込みでカスリコとして再び賭場に出向いていくのだった。。






以下ネタバレ


高知在住の原作者、国吉卓爾が自身の若い頃を振り返って描くギャンブル人情物

見た目は普通の家で多分週末や祭日にだけ行われる賭場
みんなが興じているのは「手本引き」というギャンブル
以前に勝新の作品でも登場していた手本引きという遊び
その時は解説が無かったから一体どんな遊び何だろうと思っていたけど今回の作品はルールに付いて少し解説が有ったので何となく解った😀

サイコロ賭場のように目の前に白い布を掛けた長方形の板の前に皆が胡座をかいて座る
親が1から6まである数字の札の中から1枚選ぶ
掛ける側は親が選んだであろう数字を予想して掛けるだけの非常にシンプル賭博
どちらかというと偶然性より心理戦
「カイジ」のEカードに近いかも😁

違法行為ではあるだろうけど警察も通報が無ければ見て見ぬ振りをしていたと思われる
地元の実力者や顔役達の社交場でもあっただろう
今でも密かに行われているのかなぁ。。

掛ける側の人達、客を「カケコ」と呼び
場の設置から客の食べ物やタバコの買い出し等の雑用をこなしお釣や祝儀を恵んでもらいそれを生業にしている「カスリコ」
多分、掠りとるの意かなと思われる


ラストのモノクロからカラーになるのは要らなかったなぁ。。
モノクロのままの方が良かったので残念

妻役が高橋かおりさんで久々にお見かけして懐かしい😀



「麻雀放浪記」やマックイーンの「シンシナティ・キッド」を彷彿とさせる
ギャンブラーの負けの美学が詰まっている哀愁溢れる作品😀