TAK44マグナム

ラスト・サマー ~この夏の先に~のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.5
青春、最後のフリータイム。


「ラストサマー」といっても、オッサン殺人鬼がジョニファー・ラブ・ヒューイットを怖がらせるホラー映画じゃございません。
NETFLIXオリジナルの青春映画です。

アメリカは9月から新学期が始まるので、高校を卒業した夏休みは、大学進学するにしても社会人になるにしても、ティーンにとって「最後の自由時間」になるわけです。
その二ヶ月間をどう過ごすのか。
大学、仕事、そして恋愛。
自分を見つめ直す、そんな有意義であり焦りもする特別な夏をポップでカラフルに紡ぐ群像劇。

音楽学校へ行きたいが父親の意向に逆らえずにいるグリフィン。
この夏をドキュメント映画の製作に没頭したいフィービー。
エレンと別れたことを後悔しているアレック。
アレックと別れ、プロ野球選手と恋におちるエレン。
抱きたい女子リストを作ってナンパに精をだすフォスター。
大学進学に悩みをもつオードリー。
そして、この夏に童貞から卒業したいギークの二人組。

それぞれの想いを抱えながら、彼らは傷つきながらも大人への階段を登ってゆきます。
群像劇スタイルなので、各エピソードは同時進行しながりも交わりはしません。
同じパーティに出ていたりはしても、恋人や友人という関係でなければ特に知り合いという描写もありません。
なので、複雑な人間関係はなく、それほど難しく考えるような深みのあるドラマも期待できませんし、内容的に他愛もなく、かなり薄いです。
昔の軽いトレンディドラマぐらいのレベルかと。
でも、それ故に分かりやすいですし、登場人物の年齢に近い方なら共感しやすいかも?
基本、キラキラしていてハッピーなので、映画を観て気分を落ち込ませたくない時にオススメです。

あまり昨今の海外ドラマ事情に詳しくないのでよく知らなかったのですが、誰一人18歳には見えない(汗)キャスト陣の多くは最近ヒットしたドラマの出演者なんですね。
そんな事からも何となく想像がつきますが、きっとテレビドラマの延長線上の様なノリなのでしょう。
「あのドラマに出ていたイケメンやカワイコちゃん」目当てで観る映画なのかな。
主要メンバーで唯一知っていたのはエレン役のハルストン・セイジ。
傑作「ゾンビーワールドへようこそ」の準ヒロイン役でしたね。非常に好み(笑)
エレンってキャラクターは酷かったけれども(汗)

恋愛ではなく、「自分探し」に焦りを募らせるオードリー役は何とケヴィン・ベーコンの娘さん!
その結末も含めて、一番格好いい役だったと思います。


何の捻りもない、予定調和なドラマではありますが、マリファナを吸う事もない健全な「幼年期の終わり」は個人的にはスウィートな気持ちになれましたし、どちらかというと好きなタイプの作品でした。
ギークな2人が慣れないスーツを着て、偽りの証券マン生活をゴージャスに満喫するパートが一番面白かったかな?
いささか現実離れしていますけれど、彼らの夏の冒険が少し羨ましく映りましたよ。


そうそう、グリフィンのお母さん役が「ボディスナッチャーズ」のガブリエル・アンウォー。
映るたびにセクシーに肩なんて出しちゃって、相変わらずの美人さんで何だか嬉しくなりました。


NETFLIXにて