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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのunepistのレビュー・感想・評価

3.0
将来のために真面目に勉学に向き合ってきたモリーとエイミーの親友コンビが、遊んでばかりと思っていた同級生たちが自分と遜色ない進学先を切り拓いていることを知ってしまい、これまで無駄にしてきてしまった青春を取り戻すべく卒業パーティで奮闘する姿を描くコメディ作品。
プロットだけ聞くと2000年代に流行したスクールカースト下位の高校生がプロムでリベンジを目指すタイプの話なのですが、Z世代を主人公にすることでまるで違うタイプのストーリーに組みあがっているのが面白い。まずスクールカーストやNerdな感じがなくて、主人公2人は尖っていて少し変わった女の子として描かれています。その尖り方も、弁論大好きな生徒会長、同性愛指向(カミングアウト済)のリベラリストと現代的。同級生たちも個性的でどちらが上位という感じでもない。部隊がカリフォルニア州とはいえ、Z世代からすれば高校生ってこんな感じなんでしょうね。
劇中でアラニス=モリセットの攻撃的な歌詞をエイミーが唄うシーンがあるのですが、Z世代からすればこの曲も自分が産まれる前に流行した懐メロ。様々な問題を解決する手段も、ITネイティブ世代な感じが押し出されていたりと、Z世代より上の年代でもジェネレーションギャップを楽しめる映画でした。縛られることがなく、やりたいことを素直に目指すのが次世代の若者であるなら、未来は明るいなと思えます。
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