hama

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのhamaのレビュー・感想・評価

3.9
自分と価値観が全く違って興味深い作品だった。
下品な下ネタや飲み物溢したりゴチャゴチャしてるパーティは嫌悪感湧くし、
警察に捕まるようなパーティを憧れる価値観には全く共感しなかったけど、
「偏見の否定」と「多用性の肯定」の魅せ方が上手くて、たまに分かるギャグが笑える。

危険を諭してくれた「良い人」レッテルのタクシー運転手が殺人犯なとこや、バービー人形ネタのように「メッセージをネタに昇華させる技術」が高い作品。

言ってしまえばプロパガンダ作品なんだけど、説教臭くなく、さりげなく描いてるのが本当に凄い。

良くも悪くも日本育ちの自分には衝撃が沢山あった。
1番アメリカンだと思ったのは最初の遊び尽くすと決意するシーン。
遊んでたクラスメートがGoogle就職やイェール進学と聞いたらしばらく立ち直れそうにないのに、その日のうちに何か行動を起こすのは(良い行動かは置いといて)凄いし、見習いたい。

ボキャブラリーの多さにも驚く。
日本とは比較にならない程の下ネタや悪口の引き出しが豊富なのは勿論、エイミーが自分を卑下した親友を奮い立たせるスピーチも良くてびっくりした。
「私の親友を悪く言わないで。」
「彼はあなたの人生の脇役になれて幸せよ。」
こんなスピーチをよくスラスラと言えるなと感動。
凄い良い子。
モリーはこんな良い親友がいて幸せだよ。


▼以下、気になったことまとめ
・同性愛
同性愛者であることの葛藤が無く、単に好きな人への接し方に悩むという、誰もが抱える恋の葛藤として描かれてたのが新鮮で良かった。
周りもそこを馬鹿にしたり、特別視する人もいなくて当たり前な世界観。
トイレですら男女共用。

・男女共用トイレ
日本だと新宿で実施してすぐ廃止されるほど問題になったし、
男の僕からすると、共用化は洗面台や便器が混みそうで嫌だな、というのが正直な第一印象。
自分の彼女や将来の娘が共用トイレを使用するのも抵抗ある。
けど確かに日本も男女別のトイレを使用し始めたのって20世紀からで、意外とつい最近なのよね。
しかも男女別にした理由は「西洋諸国が分けてるから」って理由。(その西洋諸国も19世紀後半から分け始めた。)
自分の当たり前に毒されてるだけなのか?
…うーん…難しい問題

・パーティで副会長の主人公への接し方がイケメン過ぎて惚れそうになった。
慣れてない陰キャ女子をスマートに会話する振る舞い。
自然にやってのけていてモテるのも納得だった。
‥とはいえ別の女が好きなのにあれは余りにも思わせぶりで酷いと思う。

・この映画に限らず、他作品でも飛び入りでやってきた陰キャにウェルカムなムードなのは本当に不思議。
日本だといつメン以外の人が参加すると「なんで?」ってなるし、今作に至っては叔母さん宅なのに良いのかよ!とツッコミたくなる。
これって映画だけなのかアメリカでは当たり前なのか?

・カースト上位グループがそこまでカッコよくないのがリアル。
パーティでアジア系の少年が(ムキムキでもないのに)乳首丸出しのダサいファッションでカースト上位なとこも妙に説得力があるんだよなー。
従来ならチアガールとマッチョなラグビー部。

成績優秀=ブサイク陰キャじゃないと知って人は大人になるのよね。
「日本はガリ勉と美女の結婚が戦後から2,3周したこともあり、東大の美男美女率は高い」
ってツイートがバズってたのを思い出した。

・アメリカ文化に詳しくないと笑いを逃すジョークが多くて悔しい。
(知らなくても楽しめるようにできてるけども)

ポルノを聞いた校長の「カーディ・Bか?(WAPか?)」とか難易度高過ぎません?
自分は調べてようやく分かったけど、最初からそこまで分かってて爆笑した人が多くてびっくりした。
自分の見識の低さを痛感。

・充分楽しめはしたけど、ギャグ以外にも文化が違うせいで映画だから誇張してるのかが分からないシーンが多くてもどかしかった。

偽造IDやドラッグの扱いってどんな感覚なんだろ?
偽造IDは日本でいう漫画村や違法AVのダウンロードとかの感覚?
ドラッグは未成年タバコ感覚?

男女共用トイレのラクガキにあるgloly holeって単語を調べたら、予想を上回る言葉で、それが進学校のトイレにラクガキされてたり、コンドーム水風船を投げ合う治安の悪さはどこまで誇張なのか?
うーん、気になる。


▼その他分からなかったネタ
1.「オバマの娘の誕生日より良いよ」
皮肉ギャグ?純粋に良い意味?

2.「君はスリザリンとレイブンクロー半分ずつだ」って言われてときめく理由

どなたかコメントで教えて下さい。
hama

hama