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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのikumuraのレビュー・感想・評価

3.9
優等生で過ごしてきた親友同士の女子高生二人が、卒業前日に、
「わたしたち、弾けたことなかった・・・」と気づき、
イケてるパリピ同級生の集う卒業パーティーに向かう・・・
という話。
と、いう粗筋だけ知ってて、うーん、微妙かな、とも思ったんだけど、
レビューもいい感じだし構えず見られそうな映画なので緩い気分で見に行ったらかなり良かった。

これぞ、ザ・coming-of-ageモノ、かつbuddy movieですよ。
同性愛がごく普通のこととして扱われてるのも新しいかな(ネタバレない程度に言うと、この二人はあくまで友達で、でも片方はとっくにカミングアウトしてるという設定)
まあ、ロサンゼルスだしね。
その行為を過剰にファンタサイズもしないし、
ある意味、いざ、ってとこで、このbooksmartって言葉が効いてくる。

まずパーティー会場に着くまでのドタバタで笑いっぱなし。
そもそもなんであんな服チョイスするの??(笑)
過去の青春ハイスクールものへのオマージュも散りばめられてるらしく
(あまりそういうのを見てこなかったので、なんとなく、それっぽい、としか僕にはわかりませんが)
スマホが出てくること以外はどこか90年代的な、
映像の質感も含めた懐かしい感じもよい。

レディーバードで主人公の親友役をやってたビーニーフェルドスタインが、
ああいういかにもな脇役としてだけじゃなく、
主人公の一人(モリー)としてこんなに輝くんだと世界に知らしめている。
コメディエンヌとしても素晴らしいし、
ときめいている時の目もなんとも言えない。
相棒、ケイトリンディーバー演じるエイミーとの相性もピッタリ。

だいたいこんな流れになるんだろうな(絶対この二人喧嘩するよな。。問題はいつ、だよななどと思いながら見ていたり(笑))
という展開に落ち着くけれど、
最後の方はちょっとホロリときたりもして、
見終わる頃にはこの二人(だけじゃないかも)をすごく好きになって、応援していた。
彼女らが見下し、同時に疎外感を感じさせていた同級生達も、
話の終わりにかけて意外な面を見せて、二人との関係も変わっていく、
彼らの話も、もうちょい掘り下げがあると良かったけど、
まあ短い映画なので。
それに、みんな魅力的で、他の映画でもちょいちょい活躍してるらしい。
今後また見かけるのが楽しみだな。
(トリプルAという酷いあだ名で呼ばれてる<どういうことかは映画をみてください>
、イケてる女子を演じてるモリーゴードンは、
実はビーニーの親友でどんな役でもいいからと出演を熱望したらしい)

あと、まあどうでもいい付け足しとして、この映画は、わりと「イケてないと思っててもなんとかなるさ!」楽観的だけど、
やはりアメリカの高校生活って大変そう、というイメージは変わらない。
パーティーも全然楽しそうじゃないしな・・・
この二人も、日本でいうガリ勉とは違ってて、だから行ってみたら割とすぐ馴染める。
まあガリ勉だったらアイヴィースクールに行けないわけで。
あ、でも、その中で、アヴィリルラヴィーン歌うとこは結構お気に入りだった。
でもこれまた、歌えちゃうんだよね。上手い。
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