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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビューのyuumのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

映画館での鑑賞前に自宅で夜通し映画を5本観てきてたので、感受性がちょっとバカになっていたのかもしれない…劇中3回も泣いてしまった😢

1回目は、名門イェール大学への進学が決まっていて人生全般に対して自信家に見えても、恋には奥手な主人公モリーの片思いが、同じく秀才で親友のエイミーにバレてしまうシーン。私なんて、と卑下するモリーをビンタして「私が大好きなあんたが、自分で自分のこと…そんな風に言わないで!」と本気で憤るエイミー。高校生たちの真っ直ぐでアツい友情を目の当たりにして、思わず涙腺うるうる。

2回目は、主人公二人がそれぞれ片想いする子たちが待つパーティーのカラオケシーン。レズビアンのエイミーが、片思いする女の子への思いの丈をぶつけるように熱唱するアラニス・モリセット”You Oughta Know”で彼女のピュアな気持ちがストレートに感じられて泣いちゃった…美声だしね…。

そして3回目。これまた紆余曲折あって卒業パーティーで逮捕されたエイミーを警察と交渉して刑務所から連れ去り、二人で車で乗り込んだモリーが、その車を貸してくれた、ファッションセンスは迷子だけど心優しき富豪ジャレッドと壇上で公開キスをしたのち卒業生代表としてスピーチするシーン。モリーがそれまで色んな偏見を持ってた同級生たちに対して、”Finally, I see you.”と語りかける言葉に、たまたまこの日The xxのI See Youソックスを履いていた私、またもや涙ぽろぽろ。

この映画には2019年のユース的リベラルな社会観が、102分間にこれでもか!というくらいギュッと詰め込まれているので、情報量の多さから生じるスピード感は、少し強すぎる気も。でもそれだけにお気に入りのシーンは数えきれないのよ。(以下メモ)

2020年のサマーアンセムと言っても過言ではないCardi Bの"WAP"を予見したように、モリーたち生徒には内緒でUber運転手で小金を稼ぐ校長先生の車内で流れてしまう大音量のmac n' cheese音🧀💦その車内を隙間なく埋め尽くすようにギラギラ灯る🌶型のネオンライト。演劇に狂うハイソなキッズたちによる、マーダーミステリー劇の参加型パーティー💀そのパーティーに行く前に立ち寄った船上パーティーでクレイジーな女ジジにドラッグを盛られ、バッドトリップして8頭身の人形になってしまう二人👯‍♀️トリップ中、セクシュアライズされた人形ver.の自身のセクシーな身体に恍惚としだすエイミーに対して、フェミニストの在り方と本質を問いただすモリー⚖️

その後も長い長い、時には危険な回り道を経て、二人がそれぞれ会いたい人の待つパーティーに辿り着いた映画後半からは…もうずっと最高。モリーとエイミーの切ない恋愛模様と友情の決裂、主人公以外のキャラクターたちの群像劇、そして高校の卒業式のシーン。この映画は素晴らしく愛に溢れていて、眩かった。私はこの愛ある世界を守るためにはなんでもしたいと本気で思えたし、これからも声を上げながら自分のできることを一つ一つやっていこうって心が自然と決めたよ。

ああ、ブラヴォー。ブラヴォー、オリヴィア・ワイルド監督!次回作も楽しみ!
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