ハゲゾンビ

罪の声のハゲゾンビのネタバレレビュー・内容・結末

罪の声(2020年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

2020年日本映画。

先日はファーストデイでしたので地元の映画館で¥1200で鑑賞。本当は皆さんが号泣😭されている「浅田家!」を観るつもりが上映時間に間に合わず今作をチョイス😅
これが大当り🎯でした❗

【まずは概要を】
●原作は「氷の仮面」、「拳に聞け!」の作者、塩田武士の「罪の声」
●2016文春ミステリー大賞国内作品1位を獲得。
コミック版もある。
●1984年におこった未曾有の未解決事件、『グリコ・森永事件』を題材にした作品で、劇場型犯罪と呼ばれた。

【グリコ・森永事件とは】
1984年3月、江崎グリコ社長を誘拐して身代金を要求した事件を皮切りに、江崎グリコに対して脅迫や放火を起こす。その後、丸大食品、森永製菓、ハウス食品、不二家、駿河屋など食品企業を次々と脅迫。現金の引き渡しにおいては次々と指定場所を変えたが、犯人は一度も現金の引き渡し場所に現れなかった。犯人と思しき人物が何度か目撃されたが逃げられてしまったため、結局正体は分からなかった。(ウィキペディアより)

【今作の設定】
🔵実際の事件→グリコ・森永事件 犯人グループ→かい人21面相
🔵今作→ギンガ・萬堂事件 犯人グループ→くら魔天狗

【登場人物】
♦本作は登場人物が多く、正直誰が誰だか分からなくなる事もしばしば、そこで少し整理してみましょう✨
♦曽根俊也(星野源)→親子2代続くテーラー、カセットテープの声の子ども
♦曽根亜美(市川実日子)→俊也の妻。
♦曽根達雄( 宇崎竜童)→俊也の伯父(父親の兄)、新左翼運動と関係、本事件の計画立案
♦曽根清太郎(名前だけ)→達雄の父。ギンガに勤めていた1974年に、過激派から内ゲバの標的と間違われて撲殺される。
♦曽根光雄(尾上寛之)→俊也の父親。京都の「テーラー曽根」初代店主。
♦曽根真由美(梶芽衣子)→俊也の母親、今は病気で入院。伯父の事件資料を隠していた。
♦阿久津英士(小栗旬)→本事件を取材する記者
♦生島秀樹(阿部亮平)→元刑事、本事件の人集め要員。
♦生島総一郎(宇野祥平)→生島秀樹の息子、カセットテープの声の子でも。
♦生島望(原菜乃華)→総一朗の姉、カセットテープの声の子ども。口封じのため殺害される。
♦生島千代子(篠原ゆき子)→望と聡一郎の母
♦河村和信(火野正平)→俊也の父・光雄と長らく一緒に働いていたスーツの仕立て職人。

【ストーリー展開】
🟣前半→事件の真相を探るパート
♦阿久津英士→大日新聞社の阿久津は、平成から令和に変わっていくこの時に昭和・平成の未解決事件を改めて追うという企画で35年前に昭和を揺るがした“ギン萬事件”を追うことを任される。
♦曽根俊也→家の押し入れの奥から、自分の声の入ったカセットテープを発見。それがあの犯行に使われた事を確信し、独自で調査を始める。
♦この2人の出会い
ある事がきっかけで社会部から文化部へ移った阿久津。自分が被害者でもあり加害者でもあり、犯行に利用されたもう二人の子どもの人生にも思いを馳せる俊也。
♦取材、聴き込みの連続→次々に事件の真相が分かっていく爽快感✨阿久津と俊也のバディ的なやり取りも観ていて面白い❗✌️
🟣後半→事件の真相よりも、何も知らずに自分の声が犯行に利用された3人の子どもの半生を描く。
♦生島総一郎→あの事件に利用され人生を狂わされた姿。常に逃げて来た人生。(彼の演技が真に迫っていて胸に突き刺さる感覚)
♦何も知らずにテーラーとして人並みに生きて来た俊也との対比も涙を誘う😭✨
♦生島望→自分の夢の実現のため、犯行グループから逃亡するも失敗し殺害される。
♦ここ迄描かれなかった望の半生を描くことで点が線になる→この辺の演出も良かったな〜✌️
🟣罪の声
♦何も知らずに犯行に利用された3人の子どもたちの声。
♦犯人たちに踊らされ、真犯人も犯行の裏側にある真実も炙り出せず誤った報道をしたマスコミの声。
♦犯行に加わった者の声。
・俊也の声を録音したのは自分だったと告白した母・真由美の声。
・薄ぺらな自己満足のために犯行に及んだ事を話した伯父・達雄の声。
🟣主要人物の再生
♦阿久津英士→報道に携わる記者として一度は挫折したが曽根達雄に生島の2人の子ども・望と聡一郎の壮絶な経験を語って聞かせ、この事件を記事にして世間に大きな騒動を起こす。社会部に復帰
♦生島総一郎→俊也にしつらえてもらったスーツを着て記者会見を行い、犯行グループから逃げる時に生き別れとなった母親を探し、その後に再会。
♦曽根俊也→自分と同じ様に犯行に利用された生島総一朗との出会い、そして彼の再生に関わる。共に事件の真相を暴くために奔走した阿久津英士との真の友情、強い信頼で結ばれる。

【総評】
♦グリコ・森永事件について徹底的に調べ上げた膨大な情報をもとに架空の事件(ギンガ・萬堂事件)を描いた真実とフィクションの融合が素晴らしいと思いましたね。
実際の事件の真相はこの映画の通りではと感じる程、真に迫っていました✨
♦派手なアクションなどはありませんでしたが、各役者の迫真の演技や核となる人物の描写が秀逸で最後まで集中して観れましたよ👏😄
♦原作は未読ですが是非読んで見たくなりましたね。
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