へちょりーの

罪の声のへちょりーののレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
4.2
“きょうとへ むかって 1ごうせんを 2キロ”

昭和の未解決事件の1つ「グリコ・森永事件」がモチーフ。
この事件に使われた”カセットテープ”の声をめぐるミステリー。

戦後最大の劇場型犯罪といわれた事件で、事件や報道等ほぼほぼ史実通りに再現されている原作だからこそ見応えのあるミステリーに仕上がっていた。
そしてミステリーでありながら、ヒューマンドラマとしての側面がしっかりとあるからこそ、よりこの作品・この事件を時空を超えて身近に感じてしまうのだろう。

声に使われた子どもへの思いが胸を貫く。
そして子ども達を含め、事件の当事者達は作中の現代においても、事件当時に置いて行かれたまま前に進めずにいる。
そして事件の紐解きを進めていく中で、その当事者達が現代へ歩みを進めていく。
胸が張り裂けそうな感情がとても印象強く残っている。

そして「三億円事件」もそうなのだが、やはりこの当時の日本の未解決事件に共通してくるのは「学生運動」の陰だろう。

この作品を見終わった後、すぐ「グリコ・森永事件」を調べた。
生前に起きた事件だからこそ、しっかりと知っておくべきだから。

子を持つ親には是非見て欲しい作品だった。