くろすけ

罪の声のくろすけのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
4.7
いい映画だった。映画館で見ることができてよかった。

ちょっと目の調子がよくなかったので意識がブレる時もあったんでもう一回見に行きたいんですけど、
星野源さん演じる曽根さんが自分の声が録音されたカセットテープを見つけた時の動揺と恐怖で一気にこちらも引き込まれた。

星野源さんは最近MIU404見てたので志摩さんのイメージだったけど別人ですごかった。
こう演技の京都弁です感を感じなかったのもすごい。

真実を明らかにする意義。
阿久津さんと社会部の人の会話、難しかったな。考えさせられる。
メディアの立場と当事者の立場。
世間を煽ってスプーク合戦をしたメディアの責任と曽根さんの今後の人生。
考え方と天秤のかけ方難しい。

小栗さんのギャグ(福田さん作品)じゃないお芝居を久々に見たんだけど、やっぱりうまいんだなあ。
曽根たつやさんとのファーストコンタクト、記者であることを隠した状態でありつつ、思うところがありそうな表情、すごいなって思った。

曽根さんと阿久津さんのやり取りでクスッと笑えるところがあるの楽しい。

出てくる役者さんみんなすごいしリアルでお上手だった。

エンドロールで流れるUruさんの「振り子」でまた泣かされる。
これまで見てきた人達の気持ちにピッタリの歌詞と胸に訴えかける澄んだ声に泣かされる。
「毎日夢を見て 毎日目が覚めて 夢と現実の狭間で ぶら下がって足を浮かせたまんま」
「すり減った靴の底には 泥や石が挟まったまま
私は生涯この靴で歩いていく」

報道とは正義とは。
物事をエンタメとして消費する消費者側として、鵜呑みにするのではなく考えていかなければと思わされた。
番宣で星野さんも仰っていたけれど、報道されたことの裏側にどんなことがあるのか想像力をもって考えていかなければとそう思わされるいい映画でした。

あと、原作を読んでいないので原作であるシーンかもしれないのですが、阿久津さんと曽根さんがそれぞれ事件に関わる人に罪について語るシーンは、野木さんの脚本だなと感じた。
MIU404やアンナチュラルで感じてきた犯罪に対する姿勢がしっかりしている感じ。良かったです。
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