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パーフェクションのmayaのレビュー・感想・評価

パーフェクション(2018年製作の映画)
3.3
好きではある、構成もすごいと思う、性被害を取り巻く環境の隠喩(ほぼ直喩)もうまかったと思う。ただ、性被害者が結託してレズビアンになり、加害者を父権性の代理人としてぶっ殺す展開、ちょっともう一種の勧善懲悪モノポルノの定型になってきちゃった気がして、「クラシックvsロック」の構造も、巻き戻し方も含め、だいぶうすっぺらく感じるようになってしまった。細かいところが許せなかったのは、「made in China」とか、謎の西洋人からみた辺境東アジアとか、「へんぴなところ」であげつらわれた国々とか。主題がme too故に、そこに目をやれるのに他のマイノリティは思い切りオリエンタリズム全開で行きます、は厳しいんじゃないだろうか。あと、正直ネトフリのこの手のやつ、「何かを伝えようとしすぎて」、何らかの議題を映画を通して学ぼう!みたいになり過ぎて、記号的すぎると思う。もっと物語やキャラクターをそれそのものとして作ってほしい。誰かの、あるいは何かのために作り過ぎ。それは中途半端に映画にしないで、ジャーナリズムで正面からやってくれ。
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