名だたる巨匠たちのエッセンスを色濃く反映しつつも、イヤミなくオリジナルに昇華したような感じ。
本作のような設定に関わらず、
いつどこで幼少期を過ごしたとしても、過ぎ去りしあの頃は容易く消えていってしまう。
さながら鳥のよう、どこかへ飛んで行った時間に立ち戻る装置は、現在の至るところにあって、思いがけなく作用する。
構図の美しさ、艶やかな自然たち、
子供時代のあどけない陰鬱さ、生々しさのあるカメラワーク……そして幻想的な時間表現で、とにかくドツボに入った。
他作とは一線を画すノスタルジー映画でした。