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その後の蜂の巣の子供たちのkogureawesomeのレビュー・感想・評価

その後の蜂の巣の子供たち(1951年製作の映画)
4.7
戦災孤児を引き取って育てていた清水宏が、その子供達と作った名作「蜂の巣の子供たち」の続編。

善意のつもりの人たちが行う自己満足、押し付けによるトラブルくらいが前半の話しらしい話で、それ以外はストーリーは二の次でスケッチ風のエピソードがお世辞にも上手いとは言えない子供達の演技で羅列される。こう聞くと面白くなさそうだが、実際見るととても面白い。
風とか陽の光、こんな時間が確かにあったのだという「ドキュメンタリー的瞬間」と「物語」が曖昧になるところが清水宏映画の特徴で子供達の演技以外の表情や仕草、動きが魅力にあふれている。子供たちが大人びた演技や子供らしい演技をせずに動いている感じが魅力的なのだ。
セリフや表情は無くても背中でわかる人物の感情、風景描写、清水宏の映画を観ることはその時間を過ごすことなのだと感じられる。
「うおー」と盛り上がるアドレナリン系映画と「ぽかぽか、ニコニコ、ゆるゆる」楽しいセロトニン系映画があるならば、清水宏はセロトニン系映画の代表だと思う。
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