Shin

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のShinのレビュー・感想・評価

4.5
*こちらは2回目鑑賞後のスコアになります。というのも1回目は不覚にも寝落ちしてしまったから😌最初は情報が盛りだくさんで、字幕に追われるし、途中でストーリーについていけなくなり次第に眠気が😴

なんか悔しいので 鑑賞後もう一度観ようと考えていると、翌日『DOMMUNE』なる配信で、ウェス組の一員とも言える"野村訓市"さんとウェス・アンダーソン監督の対談を視聴することができた。そこで監督が雑誌『The New Yorker』からインスピレーションを受けたことや、記者にもモデルがいること。監督がホテルを借りきって、シェフに料理を作ってもらい、俳優やスタッフが寝食を共にしたなど、興味深いことを聞く。

そして、後日2回目の鑑賞。話の流れがある程度わかっているので、字幕に縛られることなく細部にも目を凝らすことができるし、ストーリーも理解しやすい。

作品は主に4つの短編からなっており、最初は導入としてサゼラック記者(オーウェン・ウィルソン)が街の歴史を紹介する。

次に①ベレンセン記者(ティルダ・スウィントン)がアートを担当し、服役中の画家であるモーゼス(ベニチオ・デル・トロ)について語る。

ここから少し込み入っきて、②ルシンダ記者(フランシス・マクドーマンド)が政治を担当。学生運動のリーダーであるゼフィレッリ(ティモシー・シャラメ)と行動を共にする。

最後が③ローバック記者(ジェフリー・ライト)でグルメの担当だが、警察署長(マチュー・アマルリック)の息子の誘拐事件がメインに繰り広げられる。

各話バラバラのオムニバスにも見えるが、様々な愛の物語であるし、何より皮肉とユーモアに溢れているところは統一している。①では囚人のモーゼスは檻の中で創作に苦悩し電気椅子に座るし、美術商のカダージオ(エイドリアン・ブロディ)はワイロばっかり渡している。②では争い事は何でもチェスで決着させるというゼフィレッリのチェス革命が展開。③にいたっては警察が仕事中でも食べられるように発展した"ポリス料理"を紹介し、丁寧にレシピも紹介される有様。食材に公園のハトとか使ってるし😚

そしてストーリーもさることながら、カットの構図が完璧で何ならストップさせてじっくり眺めたいくらい。人物や小道具の配置、セットの建物や衣装にも随所にこだわりが感じられる。セリフのない名も無き人物がこちらを向いているだけでも、想像力をかきたてられる。音楽も素晴らしくて、Spotifyでサントラを繰り返し聞いてるよ😊

芸術性も高いのに、シュールな遊び心も満載。この両極端のことを同時に見せてくれるウェス・アンダーソン監督。豪華俳優たちを惹き付け、まるでドールハウスの人形のように飾り付ける。まさに誰にも真似できない唯一無二の芸術家と言える。









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