なりノフ

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のなりノフのレビュー・感想・評価

5.0
多くの国で多くの読者に愛された雑誌、フレンチ・ディスパッチ。その雑誌の編集長が亡くなり、彼と、彼の雑誌のために追悼号を。というところから始まる物語。
直感を信じて正解だった。めちゃくちゃ面白かったです……。

雑誌に掲載されている記事を、雑誌の最初かページを捲っていくように映画は進む。作家自身が朗読するかのようなこの作品は、台詞と語りが同じぐらいあるんじゃないかってぐらい特別な映画で、さながら雑誌を読んでいるような気分になれた。

映画全体だけじゃなく、個性の色が濃い作家たちが書く短編も全部面白くて、短編ながらも重みのある物語と登場人物たちの人生に心を掴まれていた。
心地良かった。観たいものを観ることができた。
いや、読んでたって表現の方が合っている雰囲気もある。

そんな物語の描き方もアーティスティックだったな……。芸術の側面が強い映画だ。こんな表現できるんだ、って気持ちになる。その上面白いからすげえよ。
何者なんだウェス・アンダーソン監督。いやまあ、まあ今までの私だったら絶対惹かれてない作風ではあった。この映画を観られて良かった……!
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