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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のclementineのレビュー・感想・評価

3.7
おなじみウェス・アンダーソン。しかも表現がどんどん洗練されているような気さえする。あそこまでは垢抜けきってないけれど、もうジャック・タチの域に入っていると思う。

この映画は、架空の雑誌、及びその編集部をモチーフにしているが、雑誌文化に対して相当な愛情があるように感じられる。ウェス・アンダーソン印の軽妙さに目を奪われてしまうけれど、裏に濃厚な偏愛があり、だからこそ映画全体が軽薄にはならないのだろう。
過去の映画に出演したキャストがひょっこり出てきて、とても楽しい。

オムニバス形式で進んでいくが、一篇一篇にしっかり内容があるので、途中で満足感がきてしまった。(夜遅くの回だったせいもある。)
アニメパートがいいフックになっており、ミニマムでクラシカルな楽曲もよくあっている。

映画を見返すことはあっても、一生この映画のタイトルを覚えることはないだろう。
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