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パラダイス・ネクストのmsyのレビュー・感想・評価

パラダイス・ネクスト(2019年製作の映画)
2.0
本作、映画ができるまでのエピソードを聞いて
また、監督の本業が
信頼できる台湾の映画監督の音楽も手がける
ミュージシャンだと聞いて
やってくれる邦画じゃないかと
期待してしまいました。

結果惨敗です。

半野監督の舞台挨拶を見て、
インタビュー動画なども見たのですが
面白くないかもっていう自虐を滲ませてたので、
悪い評価も聞いてはるんですね。

映画は自分にとってアルバムのひとつだと
言われてるインタビューも見ましたが
その姿勢にドン引き。
「抽象的な空気の体感」「これは寓話」で
ラッキーパンチ当たるほど
映画ってぬるい世界ではないはず。

オープニングは雰囲気でハッタリ成功、
フォントもカッコよかったですよ。
がその後役者さんたちが喋り始めると
音を立てて想像していた世界が崩れて行く。
妻夫木さん、違うよね、この世界と違うよね。
お調子者で馴れ馴れしい男、だとしても
状況的には殺るか殺られるかの淵で
消耗してギリギリの人間が
被る笑顔の仮面ですよね。
キラキラし過ぎなんですわ。
トヨエツも喋らなさすぎ。
沈黙の時間が長いほど、
次に出てくる言葉のハードルは上がるというのに。
思わせぶりに次ぐ思わせぶり。
匂わせてくるから親身になって
聞く姿勢を作ったのに結局
何でもないの…私が悪いの…ごめんね…
みたいな陳腐なセリフをオチにはぐらかされた。
そんな後味の100分です。
中でもバイクで夜の街走るシーンと
車の後部座席いっぱいのお花が
ダサすぎる。
ダサ愛おしいとかではなくて正味で。
らんちゅうの水槽が血に染まったら
極まるなって思いながら見てたけど、
それはやらなかったので
そこだけ評価したいと思います。

監督の自己表現とチャレンジに
お付き合いさせていただきましたが、
観客をときめかせるというギブを
何一つ受け取れませんでした。
受け身ですいません。

監督の好きな映画は何でしょう。
知りたいです。
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