Dick

パラダイス・ネクストのDickのネタバレレビュー・内容・結末

パラダイス・ネクスト(2019年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

❶マッチング:消化不良。乗れない、納得出来ない、楽しめない。
➋「ジャ・ジャンクーやホウ・シャオシェン作品をはじめ数々の作品で映画音楽を手がけ、「雨にゆれる女」で商業長編映画監督デビューを果たした半野喜弘による長編監督第2作。妻夫木聡と豊川悦司を主演に迎え、全編台湾ロケで撮り上げたノワール・ムービー(allcinema)」とのことで期待していたが、蓋を開ければ、大外れ。
➌効果があるとは思えない長回し撮影、行間が読めない不十分な説明等々、駄目な理由は一杯あるが、一番駄目なのは半野喜弘監督自ら書いた脚本。
❹下記のネタバレあらすじの通り、必然性が皆無で、説得力がない。
①一年前の日本での或るパーティで、島(豊川悦司)がボディガードを務めていたシンルー(ニッキー・シエ)という美女が不審死を遂げる。それが原因で島は台北に来て、地元のボスのガオ(マイケル・ホァン)の世話になっている。
②日本から牧野(妻夫木聡)が、島を訪ねてくる。
③牧野は、島をガオに紹介した日本のヤクザ・加藤(大鷹明良)から命を狙われていて、1年前のパーティ事件の真相を知っているからと、島に保護を求てきたのだった。
④加藤が台北に来て、島とガオに、牧野を殺せと指示する。
⑤加藤は、別に現地の凄腕の殺し屋(カイザー・チュアン)にも牧野を消せと指示している。
★牧野は、とんでもない重要な情報を握っているようだが、それが何なのか、最後まで明かされない(笑)。
⑥ガオは島に資金と銃を与え、牧野と一緒に逃がしてやる。後にガオは殺し屋に消されてしまう。
⑦島と牧野は、トラックで花蓮まで逃げてくる。
⑧島と牧野は、立ち寄ったバーで、日本語を話す若い台湾人の美女シャオエン(ニッキー・シエ/二役)と知り合いになる。シャオエンは、シンルーそっくりの容姿で、大きな屋敷に一人住まいしている。
⑨島と牧野は、シャオエンの家に厄介になる。何日も!
★殺し屋が迫っていると言うのに、まるで観光気分だね(笑)。
⑩シャオエンは殺し屋に殺されてしまう。
⑪悲しむ島と牧野。
⑫ここにはパラダイスがなかったのだ。
⑬おしまい。
❺特に、⑨の部分では、殺し屋が迫ってきていると言うのに、島も牧野も、何の手も打っていない。演技に定評がある豊川悦司と妻夫木聡が演じたキャラが、バカに見えた。この2人を生かせなかった演出もお粗末と言わざるを得ない。
❻他にも、シャオエンと牧野が、夕方、食料を買いに行くのに、徒歩で出かけたこと。シャオエンの一軒家から、街中までは、徒歩なら往復1時間以上かかるだろう。普通なら、車、バイク、自転車を使うだろう。まあ、細かいことを言うとキリがないのでやめておこう。
❼後から記録を調べた結果、半野喜弘監督の長編デビュー作『雨にゆれる女』は3年前にリアルタイムで観ていた。しかし、全く記憶に残っていなかった。2016/12/19鑑賞/3B★★☆(2.5点/5点、50点/100点)。
2作目の本作含め、半野喜弘監督とは相性が悪いようである。
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