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将軍の髭のchiyoのレビュー・感想・評価

将軍の髭(1968年製作の映画)
3.5
2021/10/7
自室で遺体となって発見された写真家のチョルン。大家、母親と妹、元恋人と、様々な人たちがチョルンとの思い出を語り、その内容が回想シーンで描かれる。そして、チョルンが書いていた小説の内容はアニメーションを用いる等、当時としては実験的で斬新だったのではないかと思う。その小説「将軍の髭」は、なかなかに時代を反映していて、右に倣え!的な思想とそれに従わない者の末路が何とも切ない。また、チョルンと元恋人の関係も、空想的な男性と現実的な女性という対照的な構図。始めは秘密の共有で上手くいくものの、だんだんと気持ちがずれ始める様が妙にリアル。ただ、同棲までしていた元恋人が亡くなっても全く動じない彼女は、ちょっと冷たすぎる気がしないでもなく。
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