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METライブビューイング2019-20 ワーグナー「さまよえるオランダ人」のadagietteのレビュー・感想・評価

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幽霊船伝説をモチーフにした 比較的初期のワグナー作品。

いろんなバージョンがあるらしい幽霊船伝説、パイレーツ・オヴ・カリビアンに登場する7年ごとに上陸して花嫁を求めるパターンは この”オランダ人”からもらったんじゃないかな?
お話はやっぱりワグナー好みというか 真実の愛に出会うまでさまよい続けるオランダ人の話を、小娘がかわいそうだ〜我こそが救い主〜と 思い込んで 婚約者も振りすてて 行っちゃうという.........ええと .......

最初は男声、物語の途中で女声と分かれて登場する合唱が魅力的なんだが、ゲルギエフがよくなかったの?いささか統制がとれず。

タイトルロールは Bryn Terfel が怪我したとかで降板。
代わりを務めたニキティンは安定のバスバリトン。他、男声ソリストは安定感あり。
出色はゼンタのアニヤ・カンペ。思い込みが激しい ちょっとイカレたティーンエイジャーの雰囲気を存分にまとっていました。
マリー役の藤村さんは ワグナーmezzo にしては声が明るく軽やか。
合唱を越えてくる声ではなく。モーツァルトの方が合ってるのでは?

演出のジラールは パルシファルもやってた方ですね。
船のトモも迫力あったけれど、垂直のロープを組み合わせていくのは 物語の心理状態をコントロールする力がありました。

2時間28分はそんなに長くないはずなのだけど、休憩なしで通しで あちこち気絶しそうだった ......
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