utatane

思い、思われ、ふり、ふられのutataneのレビュー・感想・評価

3.3
この作品、すぱーんと気持ちに刺さる何かがある…

そんな気がして、随分前に見たのだけれど、今日もう一度観てそれが何なのかようやっと分かった気がする。

高校時代はモヤモヤした気持ちがあって、どうしようもない事情や周囲への遠慮も、傷付きたくない本心もあって、結局なかなか素直になれない。

モワッ〜とした周囲の事情の中から、真っ直ぐな気持ちが画面の中からこちらに飛んで来る、飛んで来る…

なんでそう感じるんだろうと不思議な感覚で見ていたけれど、たぶん、きっと人物がアップになった時の背景のぼかし具合がそう感じさせているのかなという気がしました。
ただボカしているだけじゃなく、きちんと計算された演出の様に、ボケた情景が整然と、そして、その場面の主人公の気持ちを表す様な色彩。
雨の日はちゃんと重たく憂鬱で、寒い夜の公園はキリリと空気が引き締まってました。
それに加え、劇中の曲が優しく包まれる様に響いて、なんとも心地よかった。 

由奈ちゃんの部屋のシーンでは、いきなり由奈ちゃんの背中のアップから正面にまわり込む大胆なカットで、新鮮なびっくりでした。

そして、浜辺美波さんと、福本莉奈さんの微妙に移り変わる気持ちを現した表情の変化に、気持ちが引き込まれてしまって2人の演技力の高さが強く印象に残っています。

最後にハッピーなフィナーレで、心がほっこりでした😊
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