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ファブリックのmichikoのレビュー・感想・評価

ファブリック(2018年製作の映画)
2.0
なるほど、分からん。
こりゃ有志による解説が必須だと視聴後すぐさまサイト巡りを行ったが、どこもまともな解説や考察が書かれていない。「ファッションの消費文化への皮肉とも取れるが、考察は真面目にしないで見たまま感じましょう」的な説明ばかりでその大事な部分が無い…。

怪しいデパートで買った真っ赤なドレス。しかしそのドレスの持ち主は次から次へと不幸になっていく。
ストーリーはいたってシンプル。シンプルなのだが、このデパートの奴らが複雑怪奇過ぎる。本当に奇妙奇天烈という言葉がぴったりである。それはホラーとしての恐ろしさでは無く、我々が素人すぎて理解できないことへの感嘆の気持ちか。そう、彼らは服飾業界のプロである。

例えば、お店で売っている香水に関しても、その瓶のデザインは男性器をモチーフとしたものがあると聞いたことがある。ぱっと見は分からないが女性が何となく気になってしまう、手にとってしまうデザイン、そこにサブリミナルの様な潜在意識に訴えかける効果がある。

今回のデパートの従業員はプロである。お客様一人一人に必要な服を提供する。服によって何を解決させたいのか、その人を更に引き立てさせる服は何なのか、潜在意識に訴えかける様に言葉巧みに話す。それはお客様の目に触れるマネキンにも同様に、愛情を注ぎ服を引き立てさせる。
この映画の主人公は赤いドレスでは無く、この従業員達なのである。

だがしかし、この赤いドレスによって幸せになった人を見た事がない…。
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