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さまよう心臓の消費者のレビュー・感想・評価

さまよう心臓(2011年製作の映画)
3.2
・あらすじ
とある家で空き巣を働く2人の男
その片割れが一室へ入ると共犯の男に閉じ込められてしまう
閉じ込められた男は更に動き出した部屋のマネキンの手で殺され天井に磔にされ、音が消えた事で部屋へと入った共犯の男もまた同様に殺された
それからしばらく経った家の前には住人である幼い兄妹がいた
家で起こった事など知るはずもない2人だったが蝶を追いかけて中へ入った妹がマネキンに殺害され遺体の腹には穴が出現
そしてマネキンは兄の事もまた追い始め…

・感想
人形アニメ作家の秦俊子が東京藝大在籍時に手掛けたという自主制作のホラーショートフィルム作品
粘土の様な質感で作られたキャラクター達を襲う悲劇をストップモーションで描いており一見するとファンシーでありながら魂を持つマネキンが容赦なく兄妹を追い詰めていく様はちゃんとそれなりに不気味だった
特にマネキンの造形は好きな不気味さ

ショートフィルムなので仕方ない部分もあるけど話が小さくまとまってマネキンが命を宿した背景なども明かされていないので物足りなさは若干ありつつも悪くない作品だと思う
特にマネキンに殺された後に体が操られ兄を襲い出す妹の人形的な動きやマネキンを刺して出て来た心臓から妹の声が聞こえた事で本人の体の穴へと戻し蘇生させるという描写もなかなか良い
短い中でちゃんとまだ悲劇は終わっていないと示して終わるのもホラーらしいバッドエンドで嬉しい

サクッと観られるショートフィルムとしては十分楽しい作品だったと思う
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