たーぼーん

初恋のたーぼーんのレビュー・感想・評価

初恋(2020年製作の映画)
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人生において、一体どのあたりまでのレベルの失敗を又は罪を犯してしまえば、取り返しのつかないラインを超えた事になるのだろうか。
もし踏み超えたら普段行う様に笑ったり泣いたり出来るのだろうか。もう、あんまりどん底過ぎて絶望のあまり感情はなくなるのだろうか。

僕の場合窪田正孝といえば「ふがいない僕は空を見た」のバイト高校生がいつまでも目に浮かぶのだけど、今回主役の彼は絶望を全面に被りながら時折失うものが無い事による思い切りを見せるけど、物語の途中はそれほど喜怒哀楽が表にでない。
その代わりにちょっと笑わせてくれたりするのは染谷将太で、彼は生き残るために必死で笑ったり泣いたり走ったりする。彼を中心に話が動いていく。
ベッキーは「麻雀放浪記2020」でも、これまでと違った様子を見せていたが、今回も情念をコミカルな程表に出す激しい役だった。「初恋」を観ていたらベッキーのプライベートで以前起きた事なんて、一線を超えたという程の事ではないと思えてくる。

一線を超えても人は笑ったり泣いたりしながら生きていくものだし、いつかは全てを忘れて心の底から笑う事が出来る。生命さえ失わなければ。
優しく見守る様な視点の映画を三池監督は作ったのだ。