あらきり

RUN! 3filmsのあらきりのネタバレレビュー・内容・結末

RUN! 3films(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

追憶ダンス
VANISH
ACTER の三本の映画が、実はそれぞれ別々の場所で作られていたものたちがこれらは走る、ということに関して共通してるんじゃないか?とまとめられたオムニバス映画。全て意味は違えど、この映画に出てくる主人公たちは皆走っている。

追憶ダンス
そもそも篠田諒くん目当てで行ったこの映画、初めの「これは仮の姿、これは狩りの姿」で笑わせつつも、演じる鈴木の気持ち悪さがよく出ている。キョドり虚勢を張る鈴木に共感したくないけども共感せざるをえないし、佐藤がどこか子供らしさが残っていることにも気持ち悪さを覚えつつも笑いながら観ている。底辺よりも底からのスタートラインをなんとか踏み出そうとする足掻く二人が愛しくて愛しくて仕方がなかった。「人は都合のいいように記憶する」これをテーマに作られたこの映画は記憶の掛け違いは一見悪いものしか生まないように見えても、彼らにとってはそれから生み出すものがあった、という皮肉めいたハッピーエンド?だと思う。好き。

VANISH
長編の構想があるとお聞きしぜひ作ってほしい。色々と演出がえげつない映画だと思っていて、人間を飲み込む怪物父は銃を向けられたとき「人間です」と弁明するが対して子はなにも恐れを抱いていない、という状況にヒヤリとするものがある。初めは子供だからと思っていたが見ていくと、怪物ゆえの恐れへのなさが見えてくる。神山と怪物の関係はどうなっていくのか、一見破滅へと進んでいくように見えるが、怪物は果たして神山を食うのか、とても気になる。

ACTER
バカにされている山田をみて、共感したりじぶんにも身に覚えがあるから見たくないという方はいなかっただろうか、私は後者だった。
バカにされているところを見るのは辛い、だけど、芝居の中であがき、店長に芝居ごっこと罵られつつも、最後は芝居で本当に店長を泣かす、そのラストが見れただけでも俳優としての山田を見れたと思う。
あらきり

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